2020年、プロ野球・春季キャンプが間近となり、各球団から「新人選手の一軍帯同」などスター候補の名前が聞こえてきた。オリンピックイヤーでもあり、侍ジャパンの選手選出にも大きく影響してきそうだ。
稲葉篤紀代表監督の視察にも力が入るが、早くも目をつけている投手がいるという。それも、昨秋のプレミア12大会に一人も選手を送り出せなかった阪神から…。
「リリーバーの岩崎優です。国際大会は左投手の出来がそのまま勝敗に直結することもあり、とくにリリーフ投手が重要だと位置づけている。稲葉監督は岩崎に注目していますね」(球界関係者)
岩崎は昨季、48試合に登板し、防御率も1.01と好成績を残している。3勝0敗、29HPと虎のブルペンを支えた功労者でもあるが、藤川球児、ジョンソン(退団)が目立っていたせいか、代表などの大舞台のマウンドにはまだ立っていない。しかし、稲葉監督の岩崎に対する期待は大きい。
「五輪野球は短期決戦です。選手数も24人に削らなければならず、そうなると、先発で投げていたピッチャーを緊急でリリーフ登板させるケースも出てきます。稲葉監督は、千賀か菅野の緊急リリーフも構想に入れており、あとはロングリリーフができる左のリリーバーを欲しがっている」(同前)
岩崎にとっては大きなチャンスとなりそうだ。阪神ナインの大半は甲子園球場や周辺施設での自主トレを続けており、そのなかに岩崎の姿も見られた。
「五輪イヤーで開幕戦が約1週間、前倒しになっています。各選手ともハイペースで仕上げていますが、岩崎は『例年通り』のようなコメントしていました」(在阪記者)
「例年通り」は、マイペースという意味ではない。過去6年間、積み上げてきた練習量に自信があるからだろう。岩崎はプロ1年目からずっと昇給を勝ち取ってきた。稲葉監督の期待の大きさを知れば、発奮材料にもなるはず。中継ぎエースだったジョンソンが抜けたこともあり、ブレイクのシーズンを迎えそうだ。
(スポーツライター・飯山満)