開幕絶望!日ハム・清宮に憂慮される87年「巨人・原」の二の舞

 右手の有鉤骨骨折で開幕スタメンが絶望となった清宮幸太郎に、追い打ちをかけるような情報も交錯している。あの、豪快な打撃フォームが影を潜めるかもしれないというのだ。

「有鉤骨の骨折と聞くとヒヤリとしますね」というのはスポーツ紙のベテラン記者だ。

 有鉤骨とは手のひらの小指側にある骨で、ここを骨折して苦しんだプロ野球の先輩がいる。現巨人監督の原辰徳氏もその1人である。

 86年9月24日、巨人の4番・原は広島の津田恒実投手の剛速球をファウルした際、左手有鉤骨を骨折。その年のジャイアンツは主砲の戦線離脱が響いて、ペナントレース終盤で広島に逆転され優勝を逃した。

 それ以上に当時の首脳陣を失望させたのは、翌87年に復帰した原の変わりようだった。

「骨折の影響で打撃フォームの改造を余儀なくされました。コンパクトスイングに変えたことで、豪快さがなくなり、相手投手に与える脅威も小さくなってしまいました」(同前)

 後年、原監督は有鉤骨骨折を指して、「思い通りのスイングができなくなった」とも明かしている。有鉤骨とは、ホームランバッターにとって、かなり影響の出やすい箇所なのだ。

「元巨人・二岡、楽天・今江、日ハム・中田、ソフトバンク・松田、中日・高橋周、元近鉄・中村紀洋らも有鉤骨骨折の経験者です。影響が少なかった選手もいますが、中村ノリは痛みが慢性化したとも話していましたからね」(球界関係者)

 先輩たちの例を聞くと、清宮の今後も心配になってくる。

「清宮はバットの先端を相手投手の方に向け、ユラユラさせる打撃フォームです。高校時代からこのスタイルですが、否定的な声も少なくありません。日本ハムの首脳陣は当分、改造しないつもりでした。プロのスピードにも慣れ、彼自身がもっと上を目指すために何が必要かを考え始めたときに、打撃フォームの話をする予定だったそうです」(同前)

 巨人の原は骨折した有鉤骨をかばい、打撃フォームの改造に着手した。現在の清宮の打撃フォームと有鉤骨骨折の関係は不明だが、改造の予定は早まりそうだ。

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