ブルージェイズ入りの山口俊が一躍「チームのボス」に君臨しそうなワケ

 巨人の山口俊が12月17日、トロント・ブルージェイズとの契約で合意に達した。2年契約、総額600万ドル(約6億6000万円)。正式契約はメディカルチェック後となるが、山口はいきなりエースになるチャンスもゲットした。

「今季、ブルージェイズは早々にペナントレースから脱落してしまったので、ストローマン、サンチェスの先発の両主軸投手をシーズン途中で放出してしまいました。サンチェスの年俸が390万ドルだったので、先発ローテーション入りを期待しての契約と見ていいでしょう」(在米ライター)

 19年シーズンのチーム防御率「4.79」はリーグ8位。18年は「5.14」で、リーグ13位だった。今オフの補強でも大物投手との交渉に失敗しているだけに、”やり甲斐のありそうな球団”と契約したわけだが、山口はエースの座だけではなく、チームのドンになる可能性も秘めている。

「ブルージェイズは若手を実戦に投入し、チーム再建を進めている最中です。そのせいか二世選手も多いんです」(同前)

 2018年に米野球殿堂入りを果たしたヴラディミール・ゲレーロのジュニアを筆頭に、ロッキーズで本塁打王、打点王などのタイトルを獲得したダンテ・ビシェットの息子であるボー・ビシェット、アストロズ一筋で通算3060安打を放ったクレイグ・ビジオの次男、キャヴァン・ビジオらだ。

 それだけではない。山口が元DeNAの投手と知って「ヤバイ…」と思っている選手もいた。山口のDeNA時代のチームメイト、ユリエスキ・グリエルの弟のルルデス・グリエル・ジュニアだ。ルルデスは兄のユリエスキがいるDeNAと一度契約している。ところがケガのため来日せず、契約が守られないまま自由契約に至った。そのことに今も引け目を感じているそうだ。当然、山口はその騒動をDeNA選手として目の当たりにしている。
 
「ルルデス・グリエル・ジュニアはマイナーを経て、18年にメジャーデビュー。11試合連続安打の新人記録をマークしており、二世軍団にも一目を置かれています」(特派記者)

 “幻のチームメイト”となったルルデスが「あのときはスイマセン」と頭を下げれば、ブルージェイズの主力を張る二世軍団も「日本から来た山口ってスゴイんだな」と敬意を表すはず。山口が先発で結果を出せば、チームのボスに上り詰めることもありそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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