「賞金女王争い」の渋野日向子、忙しすぎる現地入りで“スタミナ切れ”の懸念

 逆転賞金女王へ向け、渋野日向子が「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に臨んだ。泣いても笑っても、これが最終戦。渋野は2日目を終え通算4アンダー、首位と3打差の3位タイ。現賞金トップの鈴木愛は通算1オーバーの17位と出遅れたが、周囲は渋野のスタミナ切れを懸念していた。

「休みナシで現地入り(宮崎県)しました。現地入りしてからも忙しく、睡眠不足なのは間違いありません」(専門誌記者)

 最終決戦に臨むまでの1週間だが、一度は諦めかけた賞金女王争いへ再浮上するきっかけとなった「エリエールレディス」(愛媛・松山)を終えたのが、11月24日。勝利インタビューなどのマスコミ対応をこなした後、同日中に宮崎入りしなければならなかった。

「翌日早朝から、テレビの収録が入っていたためです。石川遼との共演で、先輩を待たせるわけにはいきませんから」(同前)

 フェリーでの移動だったが、乗り場まで行く途中に渋滞に巻き込まれ、さらに乗船手続きの混雑でクルマのなかで2時間近くも待たされた。それだけではない。テレビ収録は1日で終わり、試合が始まるまでの火曜、水曜の2日間は体を休めることもできたのだが、渋野は石川との収録先からクルマを走らせ、観光地に向かったという。

「ボートを漕いで遊んだとも話していました。腕の筋肉痛もないと元気に話していましたのですが…」(現地取材記者)

 渋野は「リコー杯」に臨むにあたり、上位32人しか出場できないビッグトーナメントであることを自覚しながら、「こんなに早く出られると思わなかった。プロゴルファーはこの試合に出るために頑張っていると思う」と自らを奮い立たせるように語っている。それでも若さゆえか、興奮と緊張を抑えられず、むしろ体を疲れさせることで平常心になろうとしたのかもしれない。

 全英女子オープンで優勝し、今年の下半期だけで人生が大きく変わった渋野。激動の4カ月を猛ダッシュで駆け抜け、精神的にも体力的にも疲れはピークだろう。ツアー終了と同時に”電気切れ”なんてこともあるかもしれない。テレビ収録で共演した石川遼は、慌ただしくする彼女とほとんど話ができなかったそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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