ライバル姜白虎は活躍!侍ジャパン優勝の裏で囁かれた「清宮はまだか!?」

 プレミア12大会は侍ジャパンの「世界一奪回」で幕を閉じたが、稲葉篤紀代表監督は新たな課題を突きつけられた。「世代交代」である。

「韓国は20歳の選手が5人もいました。1998年生まれの日本代表選手は、オリックスの山本由伸だけ。韓国は、U‐18大会で活躍した選手が確実に国内リーグのトップクラスに育っています」(特派記者)

 とくに注目を集めたのが、李政厚(イ・ジョンフ)と姜白虎(カン・ベクホ)の両外野手だ。李政厚は元中日の李鐘範(イ・ジョンボム)の息子で、日本に移籍した98年、名古屋市内の病院で生まれている。そして、日本の関係者がため息をつきながら眺めていたのが、姜白虎だった。

「姜はU-18大会で清宮幸太郎とも対戦しています。当時は投手兼内野手でしたが、2年生で代表チームの4番を任されていました」(同前)

 当時、清宮と姜は「アジアの将来の大砲候補」として、米メディアからも一目を置かれていた。ともに高校から国内プロリーグに進み今日に至るのだが、姜は本代表入り。目下、清宮は右肘の故障手術でリハビリに専念中だ。

 この“差”に、日本関係者はガッカリしていたのだ。当時の清宮は「東京五輪に出たい!」と語っていたが…。
 
「スポーツ・コミュニティ・フィクサーの肩書で日本ハムに籍を置く稲葉監督も、清宮を気に掛けているのは間違いありません。成長が早いに越したことはありませんが、ケガを完治させるのが先決。東京五輪を意識するのなら、来季前半戦、爆発的な活躍をしなければなりませんが」(ベテラン記者)

 韓国のU‐18大会代表は、その前に行われる国内ドラフト会議で指名された選手がメインとなる。それに対し、日本は高野連に一任されている。「清宮に見返してもらいたい」と思った日本の関係者は少なくない。稲葉監督は、東京五輪、次回WBCに向け、まだ覚醒していない日本のU-18経験者をどう開眼させるのだろうか。こちらは世界一奪回以上に難題のようである。

(スポーツライター・飯山満)

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