モラル無さすぎ!性的少数者への「不謹慎表現」でテレビ山口に非難殺到

 テレビ山口(tys)が11月に放送した情報番組「週末ちぐまや家族」において、トランスジェンダーの女性に対する“偏見に満ちた放送”があったとして波紋を広げている。

 問題となった放送回では、番組出演タレントが山口県内のとある地域へアポなしロケに赴いた際、作業着姿で車のオイル交換に勤しむ女性に対して「オイル交換?」「女性で?」「変わっているって(周囲から)言われませんか?」などと絡み、「実はこの方にはある訳が」とのナレーションで視聴者を煽ると、CM後には女性がいない場所で親族に取材を敢行。

 ロケの進行を務めるタレントが「(女性が)実は男性なんですか」「ビックリしたぁ」と続け、番組も女性の映像を引用しながら『珍 女性のような男性』とのテロップを表示し、性的マイノリティーに向けて著しく配慮の欠けた表現でロケVTRを構成していた。

「このあまりに不躾な番組の放送を見た女性は怒りを爆発させ、朝日新聞の取材に『女性として取材を受けたのに、私自身に確認せずにわざわざ男性だと晒された。職場の同僚や取引先が放送を見たらと考えて、一時は絶望的になった』とコメント。本人に了承を得ずにトランスジェンダーであることを公にした番組側への不信感を露わにしました。制作側からすれば、番組を盛り上げるための“ネタ”と考えたのでしょうが、一般人に対する扱いとしてはモラルが無さすぎたと言えるでしょう。たとえば、自身の性に関する事情を公表しているタレントであれば、そうした背景を一種の感性として仕事の糧にできることもありますが、一般人であるこの女性はテレビのネタにイジられたところで何のメリットも無いばかりか、私生活や勤務先において大きな弊害が生まれる可能性すらあります。なぜ、たまたま地域で出くわしただけの女性がこの『週末ちぐまや家族』のために自身の事情を明かされなければならないのか。デリカシーがなさすぎますね」(テレビ誌ライター)

 ネットでもこのテレビ山口の放送内容について《サイテー。国は一定期間でも免許剥奪しても良い事案だと思う》《社会動向に沿った啓発や研修を受ける職場環境が整っていないのではないか?》《本人の了承を得ていないなら今の時代はアウト!》との非難が相次いでおり、今後はコンプライアンスの徹底を心がける必要がありそうだ。

(木村慎吾)

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