野球日本代表「侍ジャパン」が行う欧州代表との強化試合(3月6日・7日=京セラドーム)に出場する28人が発表されたが、サプライズは各球団が今秋のドラフト会議にリストアップしている大学生を4人招集したことだ。
プロアマ混在のチームを編成した井端弘和監督は「悩みはなかった。バランス良く選べた」と会見で胸を張っていたものの、反対に頭が痛いのはこの2試合を中継するテレビ局だ。
6日はTBS、7日はテレビ朝日がゴールデンタイムで試合終了まで生中継するが、
「試合が伸びた場合にTBSは午後10時から、テレビ朝日は午後9時からBS放送に切り替えます。TBSの水曜日の午後10時は『水曜日のダウンダウン』、テレビ朝日の木曜日午後9時台はドラマ『グレイトギフト』に『報道ステーション』が続く。これらを飛ばしてまで侍ジャパンの生中継は続けられないという局の判断です。テレビが視聴されなくなった時代とはいえ、ゴールデンタイムでの地上波生中継なら世帯視聴率15%以上がノルマになってくる。今の侍ジャパンではそこまで取れないということでしょう」(スポーツ紙テレビ局担当記者)
昨年は日本中大フィーバーになった侍ジャパンだが、プロアマ混合チームではインパクトに乏しい。いま、各局が血眼になって獲得合戦を繰り広げているのはMLBの地上波生中継の放映権だけに、
「今回のゴールデンタイム中継で万が一、一桁の数字(視聴率)など出そうものなら、それこそ各局はWBC以外の日本代表戦など見向きもしなくなる。そんな中で大学生を選ぶとは信じられませんよ」(民放テレビ局野球担当デイレクター)
プロアマ混合チームは、果たしてどこまで注目されるのか。
(小田龍司)