牛丼チェーン・すき家は、6月24日より新商品「ぷりぷりエビのビスクソースカレー」(並盛850円)の販売を開始した。普段はメニュー展開で保守的なイメージが強い同チェーンだが、今回はやや冒険心のある一品を打ち出してきた。エビ好きとしては見逃せない一皿。さっそく店舗で実食してきた。
実のところ、今年3月に発覚した異物混入騒動の影響で、無意識のうちにすき家から足が遠のいていた記者。しかし、数カ月ぶりに訪れた店舗は清掃が行き届き、スタッフも4人と手厚い体制。安心して利用できる環境が整っており、再び信頼を取り戻している印象を受けた。
さて、本題の「ビスクソース」とは何か。ビスクとはフランス料理で提供されるエビやカニを煮込んだスープをベースにしたソースで、トマトやニンニクの旨味を凝縮した、芳醇で濃厚な味わいが特徴だ。
商品が提供されると、まずエビの芳ばしい香りが立ち上がる。ひと口目はカレー単体で。ルーは非常に家庭的で甘めの味わい。これは昨年10月のカレーのリニューアルで、子どもでも食べやすいようになった甘口仕様で、辛いものが好きな人には「特製辛口ソース」が別添えで提供される仕組みと同様だ。
エビとビスクソースをカレーに混ぜて食べてみると、小ぶりながらも弾力があり、しっかりとエビの旨味が感じられる。特筆すべきはビスクソースの濃厚さ。トマトの酸味や塩味が際立ち、実際のエビよりも「エビらしい」風味が凝縮されており、まさに“超濃厚海老カレー”と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。
ただ一点惜しいのは、エビは6尾と十分だったものの、ビスクソースの量がやや控えめだった点。もう少しソースが多ければ、全体に混ぜたときのエビ感がさらに際立っただろう。とはいえ、全体としてはすき家らしい丁寧な仕上がりで、新たな挑戦として評価できる内容だった。
最近すき家から足が遠のいていたという方も、この新メニューをきっかけに、再訪してみてはいかがだろうか。エビ好きなら、きっと満足できる一皿だ。
(小林洋三)