プロ野球オンラインカジノ問題、選手から徴収する「制裁金」の使い道

 3月24日、日本野球機構(NPB)の内部組織である日本プロフェッショナル野球組織とセ・パ12球団は、オリックス・山岡泰輔投手をはじめとする8球団16人に各10~300万円、総額1020万円の制裁金を科すと発表。NPBの中村勝彦事務局長は会見で、「この事態を重く受け止め、おわび申し上げます」と謝罪した。

 今後は再びこうした問題が起きないように啓蒙活動を行っていくと述べていたが、気になるのは選手たちから徴収する制裁金の使い道。試合中の乱闘行為、審判への暴言などによる退場処分の際にも同様に制裁金が課せられるが、つまりはどちらも罰金だ。

「基本的に制裁金はNPBの運営費に計上され、野球振興や寄付などに使われます」(スポーツ紙記者)

 なお、今回は制裁金に加え、全球団から集めた計3000万円をギャンブル依存症の方の支援、対策などに取り組む団体に寄付することが明らかになっている。

「オンラインカジノはプロ野球界にとどまらず、大きな社会問題となっています。使い道としては妥当な判断だと思います」(同)

 一方、NPBとは別に球団が独自に設けている罰金制度もある。ただし、こちらは遅刻や選手寮の門限破り、サインミスや怠慢プレー、ヘッドスライディングなどケガにつながるリスクが高いプレーなど内容はチームによって異なるが、NPBの制裁金の対象にならないようなものばかりだという。

「球団が科す罰金の使い道は、シーズン終了後に開かれる選手納会、球団主催のゴルフコンペなどの費用に使われることが多いです。金額はケースバイケースですが、1回数十万円になる場合もあるため、年棒の低い選手にとってはかなりの痛手です」(同)

 プロ野球は若くして大金を稼げるチャンスがあるが、一般企業では考えられない罰金制度がある点などペナルティやお金については厳しい世界のようだ。

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