米当局が「AI画像は著作権の対象外」日本への影響は

 現在、世界中で氾濫しているAIによって制作された画像や動画。だが、それらの作品の著作権については法整備が進んでおらず、どう解釈するかは専門家の間でも意見が割れている。

 そもそも既存の著作権法は、AIによる制作を想定していないのが原因だが、この問題についてひとつの結論を下したのは米国の著作権局。1月29日公開の「著作権とAIの法的・政策的課題に関する報告書(第2部)」の中で《AI画像は著作権の対象外》とのガイドラインを示したのだ。

 コンピューター上で制作を進めるという点では従来と同じだが、こちらに関しては判断するのは人間ではなくAI。各工程でいちいち人の手によって端末を操作することもない。

 同報告書でも《著作権の判断において重要なのは作品制作に人がどの程度関与したかであり、あくまでAIによって制作された作品を受け入れたにすぎない》としている。確かに、言われてみればAI画像・動画も人間の創作活動の中で生まれたものではない。

「ただし、AIの手を借りた作品を一括りに『著作権はない』と論じているわけではありません。例えば、映像作品の場合、特殊効果や背景などのアートワークでAIを活用した制作が広く用いられていますが、作品全体に対する著作権は認められています」(同)

 つまり、程度問題ということらしい。でも、これは米国の話だが、日本にどのような影響があるのだろうか?

「当然あります。なぜなら著作権には国境がないからです。しかし、AIの使用がどの程度なら著作権が認められるのかの線引きが曖昧で、今後明確になったとしてもどうやってそれを証明するのかなど課題は山積みです」(同)

 なお、今回のガイドラインは、AI作品の盗用や流用を容認したわけではない。くれぐれもそこを勘違いしないようにしよう。

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