僕たちは「被害者芸人」(1)狩野英孝、新幹線で置き引きに遭うも車掌はなぜかニヤニヤ

 ホームセキュリティ付きの自宅で、ヘタすりゃ番犬まで飼っている。芸能人は防犯意識が高そうに見える。しかし実際には、うっかりやらかすことも多々あるようで‥‥。

 最初の被害者は狩野英孝(42)だ。

 バラエティー番組構成作家がこっそり打ち明ける。

「静岡から山口に向かう道中、狩野は新幹線がガラガラだったのをいいことに隣の席にカバンを置き、念のためにその上に毛布をかけ、そのまま寝込んでしまったという。ふと岡山あたりで目を覚ますと、こんもりとしていた毛布はペッタンコ。まさか! 慌てて毛布をめくってみたが、時すでに遅し!」

 カバンの中には、現金30万円のほか、自宅の鍵、カードや免許証、保険証、ネタ帳などが詰まっていた。

「飛び起きて周囲をあちこち探したものの、当然見つからず。最後は、車掌を呼び、事の成り行きを説明した。ところが車掌の顔はなぜかニヤニヤ薄笑い。英孝ちゃん『これはドッキリに違いない!』と思ったそうです。でも、実際には、テレビで見る芸人のあたふたする姿にうすら笑いしただけだったようで‥‥」(前出・構成作家)

 ラーメン、つけ麺、僕イタメン! 一文なしになった狩野は、山口の現場でサンドウィッチマン・伊達みきお(50)から借金するハメになったという。

 芸能人御用達のクレジットカードにも落とし穴が待っていた。キー局番組プロデューサーが耳打ちする。

「ナインティナインの岡村隆史(54)は、カードを使い始めの頃、高級機械式時計のロレックスを2つも買われる詐欺に遭ったことがあります。結局、保険で救済され、何事もなく終わりました。伊集院光(57)は、知らぬ間にネットショッピングで3万8000円ほど使われていました。不審に思ったクレジットカード会社からの連絡で気づいたわけですが、夫婦で行ったマレーシアで買ったブラジャーや、若手芸人らと格安居酒屋で使った9万円は、なぜかカード会社から不審に思われなかったそうで、それを逆に不思議がっていたそうです」

 高額な被害に遭った男といえばケンドーコバヤシ(52)だろう。10年にカワサキのW650という大型バイクを大阪の自宅マンションの駐輪場に止めていところ、盗難に遭った。前出のキー局番組プロデューサーが説明する。

「大枚はたいてカスタムするなど大事にしていたので怒り心頭。『俺はなんとしても捜し出す気なんで、犯人は一生俺に会わない様にするか、近くの警察の側にでも置いて下さい』とブログで発信していました」

 落ち込むケンコバの傷口に塩を塗ったのは千原兄弟だ。

「千原せいじ(54)から『おい、聞いたぞ。今頃バラバラにされて海外やな!』と大笑い。弟の千原ジュニア(50)は、ケンコバが着ていたスクーターのベスパの刺繍が入ったニットセーターを見て『バイク盗まれてぽっかり開いた穴、ベスパで埋まってるやん。よかったな~』とイジられる始末」

 転んでもネタにしなければならないのが芸人のつらいところ。

 大阪に事務所を持つ芸人のマネージャーは、そんな千原ジュニアのボッタクリ被害を暴露する。

「かつて大阪に『心斎橋筋2丁目劇場』という吉本の劇場があって、大きな歓楽街に位置していました。駆け出しの頃、近所に住んでいたジュニアは毎日、街を通り抜け職場へ通っていたんです。通りに、いつも客引きのオカンがいて、顔見知りになって、出かける時には『頑張ってきぃや』とか、帰りには『今日はえらい遅いなぁ』と言葉を交わす仲に。女の子と歩いている時は『アンタまた違う女の子連れてんなぁ』とツッコまれていたそうです」

 それから二十数年を経て、地元大阪での仕事の際、客引きオカンと感動の再会を果たしたジュニアは、そのまま店へ。

「ホステスさんは全員、50~60代の韓国の方で『私はね、もうこの子の大阪のオカンと思うてんねん』と大盛り上がり。しかし、お会計はビール小瓶8本で、なんと4万9000円! 懐かしい再会どころか、トンだボッタクリに遭ってしまった」

 故郷に錦と思えば安いもんやねん!?

(つづく)

エンタメ