お笑いタレントの大竹まことが12月22日、パネリストを務める「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)に出演。いわゆる自民党の裏金事件について、元衆院議員で自民党東京都連最高顧問の石原伸晃氏に噛みついた。
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題。政治資金規正法では、キックバック(還流)自体は禁止されていない。派閥から議員の関連団体への寄付として政治資金収支報告書に記載すれば適法だ。しかし、収益の一部を政治資金収支報告書へ過小報告、または不記載だったことが問題視された。この裏金事件について、東京地検特捜部は各派閥の幹部議員を不問とし、派閥からキックバックを受けた議員側の立件は不記載額を3500万円以上に限った。
番組では、裏金事件で起訴された議員とされなかった議員をめぐり、大竹と石原氏が激論を展開した。
先制攻撃は大竹。裏金事件で解せないのは「3500万円以下(未満)は不起訴って話」と切り出した。裏金議員は何十人もいたが、「3人くらいしか引っ掛からなかった。3500万円以下が不起訴になった理由はなんですか?なぜ3500万円で区切ったのか」と疑問をぶつけた。
石原氏は「裁量ですよ」とひと言。大竹は「裁量ってどういうこと?」と解せない様子。すると石原氏は「裁量って、(ある一定の基準で)線を引いて、ここから(上)の人たちは刑事事件で告発しようと…」と、裁量という言葉の一般的な意味を説明すると、大竹が噛みついた。「違う違う。100円とっても泥棒で、1万円とっても泥棒は泥棒ですからね」と反論。石原氏は「100円とっても1万円とっても泥棒ですけど、まさに警察の裁量ですよ」と再び強調。
大竹は追撃の手を緩めない。「コンビニでアイスクリームとった爺さんが逮捕されました」と、軽犯罪でも逮捕されると主張。石原氏も負けておらず、「万引きはね。万引きは逮捕されます」と切り返した。大竹は「裁量という意味が俺には理解できない」と最後まで納得できないようだった。
ネット上では《裁量って、政治家が都合よく決めるってことかな?》《「裁量、裁量」って、何を偉そうに言うとるねん。警察組織の裁量で法律が歪められるなら、民主主義でも法治国家でもない》などと、石原氏の持論が受け入れられないというコメントが殺到した。
「大竹はコンビニでアイスクリームを万引きしても逮捕されるのと同じように、裏金も金額に関わらず、立件されるべきだと言いたかったのでしょう。それどころか、3500万円未満は立件されないなんて、そんなおかしな話はないと許せなかった。その大竹の主張に対し、石原氏は『警察の裁量』で片づけてしまったわけですから、裏金事件の罪の重さを感じていないと捉えられても致し方ありません」(週刊誌記者)
ネット民の裁量では、石原氏は相当分が悪かった。
(石田英明)