──当時のテレ朝アナウンス部の雰囲気は?
日下 「THE体育会系」でしたね。一緒に食事することもあったりして仲はいいのですが、1年違えば敬語を使う関係性でした。入社時の管理職からものすごく厳しい教育をされて、新人の頃は何を言っても、ダメ出しされていました。
2年目から朝のニュースを担当することになったのですが、毎日、反省ノートを書かされていました。その日のダメだった部分や、読んだ本の感想などをレポートするのですが、管理職全員の印鑑をもらわないと帰ることができないので、上司が取材から戻るまで待っていました。
──厳しい体育会系という風潮でも、アナウンサー同士のカップルも多く誕生したように見える。
日下 管理職が厳しくて怖かったので、若手はよく飲みに行って情報交換をしていました。若手の結束力は固かったと思いますが、カップルは、そんなに多くないです(笑)。
──退社後に始めた仕事は?
日下 当時、金融ビッグバン(日本政府が行った大規模な金融改革)の時代で、金融の知識を得ておいた方が先々で役に立つかなと。FP(ファイナンシャル・プランナー)の資格を取りました。そこからCS放送の経済チャンネルに企画を出して、番組をいくつか立ち上げ、自分でMCも担当。キャスティング権もあったので、松尾貴史さんや小西克哉さんを指名してご一緒しました。自分がやりたいことがやれたと初めて感じたんです。
その後、CC(キャリアカウンセラー)の資格を取り、大学のキャリア講座の講師の話が来ました。企業の新人研修のビジネスマナー講師もやっています。こちらはもう15年続けています。
──ビジネスマナーの教えの基本は?
日下 必ず伝えるのは「唯一絶対の正解はない」ですね。
──資格マニア?
日下 そうかもしれないです(笑)。ABCクッキングのパンの講師やドローン操縦、昨年は音楽健康指導士の資格を取りました。今年の6月から勉強しているのが、外国人に日本語を教える日本語教師の国家資格です。これから各企業で外国人の従業員が増えるので、需要が期待できると思います。
──ロリータファッションで注目されたこともあった。
日下 テレビに出演した際に、普段着ているフリル付や花柄のファッションを、思いっ切り盛っていただきました。別に嫌いじゃないですけどね(笑)。
──ずっと続けていることもある?
日下 バレエは25年やっています。自宅から徒歩10分の所にバレエスタジオがあって、ちょっと時間が空くと1時間半くらいレッスンに行くんです。週3~4回は通っていますね。踊るとストレスが発散されるので、日常が満たされているのだと思います。
日下千帆(くさかちほ)1991年、テレビ朝日入社。報道、情報、スポーツ、バラエティーとすべてのジャンルの番組を担当した。97年に退社。以降、大学生向けのキャリアカウンセラーや、 企業や官公庁、団体でビジネスマナー研修の講師なども務める。