8月24日、国内35店舗目となる沖縄南城店がオープンしたコストコ。那覇から約20㎞離れた郊外ながら当日は徹夜組を含む1000人以上が並び、予定していた開店時間を3時間半前倒しして営業を開始。しかし、その後もお客は殺到して周辺の道路は大渋滞となり、“入場5時間待ち”という看板が掲げられたことはテレビ各局、新聞各紙も大きく報じた。
渋滞によって近隣のゴルフ場には到着できない客が相次ぎキャンセルが続出。運行ルートが渋滞と被ってしまった地元・南城市のコミュニティバス「Nバス」の中には、通常なら所要時間75分のところを約10時間かかったケースも。移動の足として利用している地域住民に深刻な影響を及ぼしている。
どのコストコもオープン当初は人が大挙して押し寄せていたが、今回のフィーバーぶりはそれを上回るとも言われている。県内初出店ということもあると思うが、どうやらそれだけではないようだ。
「大きな理由として挙げられるのは、コストコの圧倒的な値段の安さです。実は、あまり知られていませんが食品の物価が日本一高いのは沖縄なんです」(食品業界専門誌記者)
今年6月に発表された総務省「消費者物価地域差指数」によると、全国平均が100の中、沖縄の食品の物価指数は106.4。これは2位の東京(102.8)を3.6ポイントも上回る。
農林水産省発表の「令和4年度都道府県別食料自給率」を見ると、沖縄県は34%ながら全国では29位と決して低いわけではない。
「ただ、それでも大半は県外からの輸送に頼っているのが現状です。しかも、空路と海路でしか運べないため、輸送コストが上乗せされる形になり、どうしても本土より高くなってしまうんです。沖縄は平均所得も全国では下位ですし、食品が安く手に入るコストコに群がるのは当然のことです」(同)
駐車場に入るのに何時間も待たされようともそれに見合うだけの価値はあるようだ。