温帯低気圧となった後も各地に大雨をもたらした台風10号。特に総雨量の多かった東海地方では、静岡県焼津市内の地下歩道が水没。溜め池のような状態となった階段が各局のニュース映像で繰り返し放送されていた。
また、8月21日に都心を襲ったゲリラ豪雨でも東京の市ヶ谷、麻布十番、国立競技場の地下鉄各駅の構内が浸水。こちらも先日の台風と合わせて映像や画像がネット上で拡散され、海外でも紹介されている。
海外でもこれほどの浸水被害をもたらす強い雨に驚いていたようだが、そんな声に混じって多かったのは洪水、浸水についての意見。《ゴミが全然浮いてない!》と“水質の良さ”を絶賛し、地下鉄の浸水に関しては《浸水してる水が透き通ってる!》《あの水なら飲めそう》といったコメントが数多く投稿されていたのだ。
「排水処理能力を含めた日本の上下水道の設備は世界一。洪水や浸水した場合のことまで想定済みで、下水が逆流して溢れたりしないように対策が講じられています。今回、地下鉄駅構内の浸水に対し、海外で『透明だ!』と話題となったことで技術力の高さが改めて世界に証明されました」(大手紙記者)
YouTubeでは米国や英国、中国などの地下鉄駅の浸水映像もアップされているが、いずれも水はひどく濁っているように見える。確かに、海外の常識からすると地下に浸水した水が透明なのが不自然なのかもしれない。
「そもそも日本と海外では衛生管理のレベルが異なります。海外の浸水では臭いもキツく、ひどい場合だとネズミの死骸が浮いていることもあるので」(同)
ちなみに東京で地下鉄駅が浸水したのは、20年ぶりのこと。21日の豪雨では地上出入り口に設置する「止水板」を水圧により格納庫から取り出すことができず、代わりにシャッターを閉めようと試みるもこちらも水圧で破損してしまったのが原因とのこと。
結果的に対策が不十分だったわけだが、問題点がはっきりしているのでしっかりと改善してくれるはず。今回が東京の地下鉄で起きた最後の浸水被害となることに期待したい。
※写真は8月21日のゲリラ豪雨で浸水した東京メトロ・市ヶ谷駅