8月8日午後4時43分ごろ、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生。気象庁は午後7時15分、2019年からスタートした「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震注意」を初めて発表し、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が相対的に高まっているとして、防災対応を取るよう呼びかけた。
災害への備えはもちろん必要だが、この呼びかけに、過剰に反応する人が全国で相次いでいる。各地でパニック買い占めが始まっており、飲料水や非常食などの需要が急増。スーパーやコンビなどで在庫が急速に減少しているというのだ。
Xでは「南海トラフ予想区域の人たちで備蓄のない人は急いで買いに行って!!!今みんな水を買い占めしていて、店舗在庫ないところもでてきてる!」などと、買い占めを煽るようなツイートも見られ、一時「買い占め」がトレンド入りする事態の発展している。
パニック買い占めを巡っては、コロナ禍の2020年2月、ネット上に「トイレットペーパーが品切れする」という誤った情報が流れ、全国でトイレットペーパーが品薄状態になった。購入者の多くは普段あまり食品や日用品を買わない男性が多かったという。
「災害の予兆や社会情勢が不安定になると、必ず起きるのが買い占めです。ただ実際に衝動的な行動に出る人は、全体の6%ほどにすぎません。そのわずかな人たちがトイレットペーパーを普段の7倍も購入するのですから、一気に品薄になってしまうのです。一部の商品はすでにメルカリなどで高額転売されています。備えあれば憂いなしとはいいますが、一番怖いのは震災そのものよりも、人間の身勝手な行動かもしれません」(行動経済学者)
警視庁が過去に発信した水の保存期間についての情報によると、水道水は塩素の効果で雑菌等の繁殖を抑えるため、常温で3日、冷蔵庫で10日程度保存できるという。人間に必要な水の量は、1人1日約3リットルと言われている。この量を目安に水を汲み置きしておけば、慌てて買い占めする必要はないハズだ。
(ケン高田)