生ビール1杯190円、鶏皮を揚げた名物の“伝串”は1本50円と、安さをウリにする居酒屋チェーンの「新時代」に激震が走った。消費者庁は7月30日、「新時代」などを運営する「ファッズ」に景品表示法の措置命令を出した。
景品表示法とは、事業者による不当な広告や表示を禁止する法律のこと。消費者庁によると、ファッズは「新時代」など105店舗の飲食店情報サイト・食べログの商品説明において、実際は税抜き価格であったにもかかわらず、ビールや焼き鳥など多くの商品の価格を税込み価格として表示していた。たとえば、伝串は1本税込み55円だが、50円と表示されていたという。
税抜き価格での表示は2023年6月から12月にわたって行われており、「新時代」の公式Xアカウントでも税抜き価格であることを明示せず、「伝串50円」などと記載していた。現在は、消費者に対して企業が行う価格表示は税込み価格であることが義務付けられている。
とはいえ、生ビール1杯は税込み価格でも209円と激安だ。そんな事情があってか、ネット上では《ビール1杯190円で税抜き表示とかどうでもよくない?》《居酒屋って、そんなものでは?》《それでも安いから気にしない》と擁護する声が多数あがった。もちろん、税抜き価格表示への非難もあったが、生ビールと伝串の安さはお客にとって何よりの魅力だ。
価格表示は修正されたが、「新時代」を利用する際、気をつけたい点があるという。
「『公式』と謳った店舗の食べログを見ると、お通し代385円(税込み)とあります。激安居酒屋にしては少し高い気もしますが、それよりも年末年始・GW・お盆期間はサービス料が10%かかると明記されている店舗がありました。これからお盆を迎えますが、行く予定のある人は事前にサイトなどで調べておくといいでしょう。また、深夜料金が10%加算される店舗もあります。こうした情報を知らないと、激安居酒屋にもかかわらず、お会計のときに高く感じることがあるかもしれません」(フードライター)
税込み表示だけでなく、サービス料と深夜料金にも注意だ。
(石田英明)