「いくらなんでも失礼じゃない?」「まったく敬意を感じない」「だからマスゴミなんだよ」などとSNS上で批判の声が殺到したのは7月30日のこと。前日、パリ五輪の総合馬術・団体で日本が銅メダルを獲得したのだが、朝のワイドショーが、平均年齢41.5歳という日本チームを「初老ジャパン」の愛称で取り上げていたためだ。
30日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」は、《人馬一体92年ぶり馬術でメダル「初老ジャパン」》のテロップのもと、競技とメダル授与式の模様を伝えた。スタジオでは、番組MCの羽鳥慎一アナが、「92年ぶり、メダル、すごい」と絶賛し、タレントの長嶋一茂も日本の競技人口が少ない点に触れて、「フェンシングで勝ったときもすごかったけど、それ以上かもしれない」と称えた。
その後、弁護士の菊間千乃氏が「40代で初老って言うのはやめてほしいなと思いましたけど」とコメントすると、羽鳥アナは「奈良時代は40歳は初老だったそうです」と返答。菊間氏は「スケボーは10代、20代が活躍して、馬術は40代でいろんな世代の方が活躍してメダルとっていて素晴らしいですね」と称賛していた。こうしたやり取りを受けて、《平均年齢40代で銀メダルのフランスチームも初老ってこと?》《相手チームにも失礼じゃない?》《初老ジャパンは流行語狙える》などと大論争に発展していた。
「番組で初めて『初老ジャパン』のネーミングを見た視聴者が、《失礼すぎる》などとSNSに書き込まれていました。しかし、『初老ジャパン』は日本チームみずからがつけた愛称で、選手もインタビューで『初老ジャパンのぼくたちが…』などと自称しています。ちなみにチームの愛称には、『昭和ジャパン』『ペガサスジャパン』なども候補にあったようですが、次の世代に代表を明け渡したいとの思いもあって、『初老ジャパン』に落ち着いたとか。羽鳥アナが指摘していたように、奈良時代から戦後あたりまでは、初老は40歳からというのが通例だったようです。ただ、平均寿命が伸びた現代では60歳あたりを指すのが一般的で、NHKが行ったアンケート調査では、『初老』という言葉が使えるのは『60歳から』という回答がもっとも多く、平均すると57歳だったとか。今回の『初老ジャパン』の活躍で、改めて初老の言葉の意味を調べた人は多いのではないでしょうか」(メディア誌ライター)
初老ジャパンには次回のロサンゼルス五輪でも結果を残してほしい。