初の女性「棋士」誕生か!西山朋佳女流三冠が「棋士編入試験」挑戦で棋界に新風が吹く

 女流棋士の西山朋佳女流三冠(白玲、女王、女流王将)が、「棋士」となるための「棋士編入試験」を受験することがわかった。日本将棋連盟は7月25日、受験申し込みを受理したと発表した。

 試験は申請受理月の2カ月後からスタートし、1カ月に1対局が行われる。西山女流三冠は、高橋佑二郎四段、山川泰熙四段、上野裕寿四段、宮嶋健太四段、柵木幹太四段と対戦し、3勝をあげれば合格となり、「女流棋士」から「棋士」となる。

 西山女流三冠は、父と3歳上の姉の影響で将棋を始め、5歳のときから将棋教室に通った。2010年3月、中学2年でプロ養成機関である奨励会に入会。14年1月に、現行制度では女性として2人目、最年少の18歳7カ月で初段に昇段した。「棋士」になる条件は26歳までに四段に昇格することだが、西山女流三冠は三段まで進んだものの、その後、奨励会を退会し女流棋士となっていた。

 奨励会に属さないアマチュアや、女流棋士が棋士になるために設けられた棋士編入試験は、2022年に福間香(当時は里見姓)が女性で初めて挑戦したが、0勝3敗で不合格となっている。では、西山女流三冠に勝機はあるか。

「対戦者の新四段5名は全員が実力者。高橋四段、山川四段はともに昇段後すでに5勝を挙げており、また柵木四段は奨励会三段リーグで西山女流に5連勝しています。この5人を相手に3勝は厳しいとも言われていますが、西山女流三冠の実力が棋士のレベルに達しているのは誰もが認めるところ。過去に三段リーグで14勝以上した人は、みな棋士になっています。彼女も24歳の時に14勝を挙げている。ファンとしては是が非でも棋士になって欲しいでしょうね」(将棋ライター)

 近年は藤井聡太七冠が将棋界を席巻しているが、初の女性の棋士誕生ともなれば話題性は十分だ。棋界に新しい風が吹くか。9月からの編入試験に将棋ファンの熱い視線が集まっている。

(ケン高田)

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