「地獄メガネ、むしろメガネ地獄」玉川徹氏が“負担激増”の定額減税を猛批判

 岸田文雄総理が「税収の増加を国民に還元する」と打ち出した定額減税。給与の手取りアップはうれしい限りだが、世間では支持率アップどころか「定額減税じゃなくて低額減税」「1回きりの低額減税」などと大不評を買っている。

 その大きな理由のひとつが、複雑な制度設計だ。6月4日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」では、大きな負担を強いられる企業の声を紹介。スタジオでは「地獄メガネ」「メガネ地獄」というパワーワードが飛び出し、SNS上で大反響を呼んだ。

 番組で取り上げたのは大阪市にあるタクシー会社。一般企業でも「給与明細の記載義務化」「複雑な計算式」で担当部署が悲鳴をあげているが、同社の社長は「タクシー業界は歩合給です。毎月1人ずつ給料が違うし、同じ人でも今月と来月で違います。そうなると、より制度が複雑で地獄です」と訴えた。なお、政府の指示にならって給与明細に減税額を記載するために、約20万円かけて給与計算システムを改修。不具合が発生するたびに、事務方の従業員は残業を強いられているという。

 450社以上のコンサルティングを担当する専門家は、「本当に企業にとっては大きな負担で…。急で、複雑で、効果が薄い」とバッサリ。その後、意見を求められた元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏は、「地獄ってパワーワードですね」と前置きして猛批判した。

「これはすごいな、って思いましたけど…。実感としてはそうなんでしょうね。これ、『増税メガネ』って言われたくないから、これ(定額減税)やったってことになると、企業の担当者からすればですね、『地獄メガネ』っていう感じなんじゃないですか。『地獄メガネ』、むしろ『メガネ地獄』。もう、言いたくてしょうがないよね、『地獄』って」

 MCの羽鳥慎一アナウンサーは“地獄発言”をスルーして「そもそもタクシー業界が人手不足でいろんな問題を抱えているところ…」とまとめたが、ネット上では《地獄メガネって玉川さん、的を得てるわ》《地獄メガネとは自民党も末期か》《増税メガネが地獄メガネに進化》などと多くのリアクションが寄せられていた。

「放送から1時間ほどで、Ⅹでは玉川さんのキャプチャ画像とともに『地獄メガネ』のハッシュタグが出回る事態に発展。増税メガネから恩着せメガネ、そして地獄メガネへと大系立てて説明するネットユーザーもいました。たしかに、林芳正官房長官が労働基準法違反をチラつかせて、給与明細に減税額を記載するよう強調していましたが、たった1回の減税のために、給与計算システムを変更しなければいけない現場はたまったものではありません。この調子では、“恩恵”を感じてもらうために行った減税が、完全に逆効果だったと言えます」(メディア誌ライター)

 減税で「増税メガネ」の風評を払拭するはずが、「地獄メガネ」と呼ばれるとは…。岸田総理にとっては大誤算かもしれない。

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