5月7日、パンメーカー大手の敷島製パンは、パスコ東京多摩工場で生産した食パンに異物が混入していたと発表した。だが、その異物が「ネズミの一部」だったことが消費者に衝撃を与えた。
「同社は異物混入の公表とともに、『超熟山型5枚スライス』と『超熟山型6枚スライス』の約10万4000個を自主回収することを発表しました。同社によると、5日と7日に群馬県の購入者から『パンの中に小動物のような異物が混入している』との報告があり、届いた商品を詳しく調べたところ、クマネズミの一部だったことがわかったといいます」(社会部記者)
敷島製パンといえば、昨年2月に「コオロギパウダー入りパン」をめぐって炎上したのは記憶に新しい。
「『コオロギは未来の食糧不足対策として注目される食材』として製造したものの、抵抗を示す意見が殺到してしまいました。他商品の不買まで叫ぶ声もあったことから、同社はHP上で、『本シリーズ以外の商品を製造している工場とは、工場建屋・製造ライン・製造スタッフが異なります。そのため「超熟」シリーズはじめ、他商品にコオロギパウダーが混入する可能性はなく…』という説明をしたほどです。ところが、皮肉にもその『超熟』に今度はネズミが混入してしまった。コオロギパウダーは食料不足に対する同社の考えや行動を示した商品だったとはいえ、この『前科』があるだけに、今回の消費者の反応は過激でした」(前出・記者)
ネット上には、《余計なものは入れないんじゃなかったのか》《コオロギの次はネズミパンか!》《もう絶対に敷島製パンの商品は買いたくない》といった強烈な拒絶反応を示すコメントが相次いだのである。
「決して許容はできませんが、これまでも虫やカエルなどが混入した他社の例はあります。しかし、今回混入していたのはクマネズミです。大人のクマネズミであれば15~20センチほどの体長があります。それが一部とはいえ混入するとは、いったいどんな管理体制だったのかと疑問に思う消費者が多いのは当然でしょう」(フードジャーナリスト)
敷島製パンは当該ラインを中止して原因究明を行うとしているが、果たして消費者が納得のいく説明がなされるのか…。
(小林洋三)