東京ドームで34年ぶりのプロボクシング興行が行われ、史上2人目となる2階級で4団体王者統一した井上尚弥が元世界王者の難敵、ルイス・ネリとの防衛戦で6回TKOの劇的勝利。1回にキャリア初のダウンを喫した井上は試合後「1ラウンドのサプライズ、たまにはいかがでしょうか?」と余裕で振り返っていた。
「井上自身の初の世界王者獲得(WBC世界ライトフライ級)から10年。所属する大橋ジムが設立30年という節目の意味もあり、日本人初の東京ドームでのメインイベンターとなりましたが、東京ドームはプロ野球の巨人中心に日程が埋まっている。1年前には会場を押さえたものの、この日(5月6日)しか空いていなかったそうです」(スポーツ紙記者)
特設リングは前日の巨人-阪神戦から13時間で設営された。プロボクシングでは入場料収入が興行成功の鍵を握るが、2万人動員で大成功と言われる中、この試合では4万3000人を動員し、チケットは前売り段階で98%が売れて最高額22万円の席が真っ先に完売。チケットの売り上げだけで総額30億円以上は確実で、もちろん日本人ボクサーにとっては史上最高額と言っていい。
その他、放映権料やスポンサー収入、グッズ売り上げなども過去最高になる見込みで、2022年4月に9回TKO負けしながら、WBAスーパー級王座だった村田諒太が獲得した日本人最高額のファイトマネー6億円を軽く超えている。
「プロボクサーの平均年収が200万円台と言われる日本で、この試合での井上はファイトマネー10億円超えは確実。本人は『今後のプロボクサーのために、いつかはファイトマネー10億もらいたい』と話しており、その公約を見事、実現させたことになります。しかも中東の石油王国・サウジアラビアのスポーツ省が井上の試合を招聘したい意向があるという。となるとファイトマネー100億円超えも十分あり得ます」(夕刊紙記者)
井上がとんでもないボクサーに上り詰める可能性が出てきた。
(小田龍司)