元白鵬に「全国謝罪行脚」命令を下した伊勢ケ浜親方の“照ノ富士との衝突回避”苦肉策

 宮城野親方(元横綱白鵬)が4月3日、転籍先となる伊勢ケ浜部屋を訪問した。紗代子夫人、間垣親方(元幕内石浦)も同席して、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に挨拶をした。

 時間にして約1時間半、宮城野親方は集まった報道陣に「一生懸命頑張るとも言えない状態です…」と神妙な表情でコメントしていた。相撲部屋の不祥事としては過去に例のない厳罰となる部屋の「無期限閉鎖」による転籍だけに当然だ。

 伊勢ケ浜部屋は春場所後の休暇も終わり1日から稽古を再開する予定だったが、宮城野部屋の力士らの引っ越しが7日までずれ込んだことから、それが完了してから稽古開始始になるという。横綱照ノ富士ら関取衆は春巡業(3月31日~4月28日)に出向いており、宮城野部屋力士との注目の“対面”はまだ先になる。

 そうした状況の中、宮城野親方に対し“お目付け役”の伊勢ケ浜親方から“指令”が出た。

「それは部屋が無期限閉鎖になってしまった理由について弟子たちの親御さんにきちんと説明してこい、というもの。伊勢ケ浜親方は実にうまいことを考えたと思いましたよ」(夕刊紙記者)

 北青鵬による暴行問題が発覚した当初、伊勢ケ浜一門では“力士は伊勢ケ浜部屋、宮城野親方は他の部屋”という、師匠と力士を分離させて転籍させようとしていた。

「宮城野親方と横綱(照ノ富士)の関係がとても一緒の部屋で生活できる状態ではないという判断からです。しかし相撲協会執行部はあっさり却下した。一門では、問題が多く執行部に目をつけられている宮城野親方をどの部屋でも預かりたくなかったからす」(同)

 伊勢ケ浜親方にしてみれば、宮城野親方と照ノ富士が“衝突”するようなことがあれば自身の監督責任が問われる。それならば2人を少しでも切り離すしかない。そこで宮城野親方に弟子たちの両親に対しての全国謝罪行脚を指示することで部屋の平和を死守した、というのが多くの相撲記者の見解だ。

(小田龍司)

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