4.10日米首脳会談 岸田総理が困惑する「バイデンの一発芸要求」(1)「ミスター岸田に何か余興をしてほしい」

 大企業の賃上げ率とは対照的に、岸田内閣の支持率は下がる一方だ。派閥の裏金問題、青年局の過激パーティーへの落とし前など、問題が山積する中、新たな難題がバイデン大統領(81)から突きつけられていた。

 岸田文雄総理(66)にとって、支持率V字回復の切り札と言われているのが、4月10日にワシントンDCで予定されている日米首脳会談だ。

「今回の訪米は岸田総理たっての希望で実現したもの。目的が人気取りなのは明白で、外務省も乗り気ではなかった」(霞が関関係者)

 こんな声が上がる中、ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう見立てる。

「支持率が低迷する中で、唯一、プラスに働いたのが外交でした。岸田総理の頭の中には、昨年の日韓首脳会談、ウクライナ電撃訪問、そして広島サミットでポイントを稼いだ成功体験があるはず。その中身や成果はともかく、直後の衆院3補選と秋の総裁選に向けて、何とか支持率アップにつなげたい思惑が透けて見えます」

 アメリカ大統領との会談は重要な外交カードと言える。17年にワシントンDCで行われた日米首脳会談で、安倍晋三元総理に同行取材したジャーナリストの青山和弘氏がトランプ前大統領との〝蜜月〟を振り返る。

「すべてが異例ずくめでした。会談を終え、トランプ氏の別荘『マール・ア・ラーゴ』があるフロリダに向かう際には大統領専用機エアフォースワンに同乗。安全面や機密保持の面から見ても極めて珍しいケース。翌日のゴルフでも、18ホールでは終わらず、トランプ氏の意向で27ホールも回ったのです。2月とはいえ、フロリダは暑く、体力の消耗も激しい。それでも、トランプ氏に付き合ったのが安倍元総理。くしくもこの別荘滞在期間中に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射。トランプ氏はすぐさま会見の場を作り、安倍元総理の横で『日本を100%支える』と宣言したことで、ある意味、抑止力になったのは事実です」

 当時、共同通信社が行った世論調査では約70%がこの会談を評価し、内閣支持率は2.1ポイント増えて61.7%に達した。一方、今年3月10日の調査では過去最低となる20.1%。岸田総理にとっては藁にもすがる思いだろう。

 だが、ここで誤算が…。ホワイトハウスからこんな要望が入ったというのだ。

「ミスター岸田に何か余興をしてほしい」

 予期せぬ一発芸のオファーに官邸は大混乱。「特技なんてあるのか」「けん玉を特訓しては?」などと侃々諤々の議論が巻き起こっているというのだ。

 外信部デスクが舞台裏を解説する。

「昨年4月に韓国の尹錫悦大統領(63)が訪米し、首脳会談後にホワイトハウスの晩餐会に出席。バイデン大統領からマイクを渡された尹氏がドン・マクリーンの世界的ヒット曲『アメリカン・パイ』を熱唱したのです。その歌唱力にバイデン氏はガッツポーズで応え、『多才な男だ』と絶賛。岸田総理に相応のパフォーマンスを期待するのも無理はありません」

(つづく)

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