「なぜ水原氏が口座にアクセスできたのかなど、疑問が残った会見となりました」
3月26日の「報道ステーション」(テレビ朝日系)で、大越健介キャスターがこう語って紹介したのはドジャース・大谷翔平選手の会見だった。番組では大谷の発言をVTRで振り返った後、ロサンゼルス現地の声を伝えた。ファンの一人は「450万ドルを盗まれて気づかないわけがありません」と語り、日本人旅行者は、水原氏が勝手に送金したことについて「真偽が怪しいところではありますね」と疑念を口にしていた。
スタジオでは、会見で大谷が6度も口にした「水原氏のウソ」について解説。さらに「水原氏が通訳の立場を利用してコントロールしていたことになる」という専門家の意見を紹介した。
これに大越氏は「しかし、どうやって送金したのかという疑問が残ったままで、考えられる可能性というのはどういうことがあるんでしょうか」と疑問を口にする。番組MCのテレ朝・小木逸平アナは「パスワードを盗む」「偽装して口座を開設」「口座の管理権限を譲渡」といった可能性について説明し、「どういったことなのか、まだわかりません」と述べた。
大越氏は「一連の問題が明らかになって以降も大谷選手は試合に出続けていて…」と切り出し、球団が大谷選手に寄せる期待について言及すると、こう続けた。
「一方で疑問は残っています。大谷選手には段階的でも良いので、事実がより明らかになった段階で、再び直接ファンと向き合っていただきたいというふうに思います」
一連の大越氏の発言に、SNSでは《なんで上から目線なんだ》《大越さん、あんた何様だよ》《疑問、疑問、疑問って自民党の裏金議員に言ってほしい》といった厳しい声が寄せられていた。
「大越氏は会見の前日の放送で、『誠実な対応を』と述べて炎上したばかり。今回の放送でも、大谷の会見に懐疑的な声を取り上げ、『疑問が残る』と大谷選手が主張する“潔白”にケチをつけるような内容でした。なお、この大谷選手の話題の後、自民党の裏金問題を取り上げ、渦中の二階俊博議員の“不出馬宣言”などを紹介したのですが、こうした政治の話題について言及することはありませんでした。裏金の使い道、安倍派幹部の処遇、岸田総理自身の疑惑など、疑問だらけの自民党にはいっさい触れなかったことに、大越氏や番組のダブルスタンダードを指摘する声が多く挙がっています」(メディア誌ライター)
大越氏は大谷選手にアレコレ注文をつけるよりも、視聴者が抱く政治不信としっかり向き合うべきかもしれない。