史上初となったMLB韓国シリーズは、日米通じて初となる大谷翔平VSダルビッシュ有の対決などで大いに盛り上がっているが、試合前には“テロ騒動”が起きていた。
3月20日の試合の朝には「試合中に爆弾を爆破させる」という送信元が日本の脅迫メールがカナダ・バンクバーにある韓国総領事館に英文で届いていたことが判明。午後になると高尺(コチョク)スカイドームでは、所有者がわからない不審物が発見され緊急非常線が張られるなど、ピリピリムードだった。
「3月5日には韓国陸軍の特殊部隊が高尺スカイドームでテロ対策の訓練を行っており、米韓合同軍事演習の一環でかなり本格的なものでした。不審物の騒動ではすぐに30人規模の爆発物処理班が出動。結局フェイクでしたが、物々しい雰囲気でした」(一般紙のソウル支局記者)
ドジャースが韓国入りした際には、韓国人の20代の男性がロバーツ監督に「生卵」を投げる騒動もあった。この男性は「外国人だから腹が立った」と話しているという。
MLBでは米国での観客動員が大苦戦しており、球場に足を運ぶ年齢層はどの球場も高年齢化が進んでいる。
「今回、韓国で開幕シリーズが実現したのは、MLB側がぜひ韓国でやりたいと言ってきたから。韓国には儲けられる市場があると踏んだからです」(MLB担当記者)
しかし、相次ぐ“テロ騒動”が水を差した格好になった。
MLBはテロには敏感だ。2003年には、イチローの凱旋試合として、日本でアスレチックス対マリナーズのMLB公式戦を開催する予定だったが、イラク戦争の勃発でテロを警戒し中止になっている。
来年のドジャースの海外遠征先は日本が有力視されているが、韓国での騒動が少なからず影響を与えそうだ。
(小田龍司)