プロ野球観戦において、ここ一番の場面でスタジアムに大音量で流れる選手の「登場曲」に背筋がゾワゾワし一気にテンションが上がった経験はないだろうか。特に自分が青春時代を共にした楽曲が流れれば、興奮も最高潮に達するだろう。また選手側も、観客のヒートアップにアドレナリンが大放出されるという。
そんな、選手が打席に向かうまでの時間が今季から厳守されることになっ
確かに昨今の時短の流れでは仕方ない部分もあるが、ファンと選手の間に一体感が生まれる貴重な時間まで削られてしまっては、野球のエンターテイメント性にも影響する可能性もあり、多くのファンは納得していないようだ。
実際、登場曲が10秒になったことで、すでにチグハグな場面も生まれている。ヤクルトの塩見泰隆外野手は第1打席で競馬のGIファンファーレを使用しているが、この曲は最後まで流さないとまったく面白みがない。フルで流すと約18秒かかるが、途中でブツ切りされ興ざめするファンが続出している。スポーツライターが語る。
「他にも影響を受けそうな選手は少なくありませんが、同じくヤクルトの川端慎吾が使用するFUNKY MONKEY BABYSの『悲しみなんて笑い飛ばせ』、巨人の坂本勇人の登場曲であるGReeeeNの『キセキ』などは中途半端な部分で終わる可能性が高く、スタンドの掛け声だけが虚しく残りそうです」
果たして登場曲のわずか数秒を削ってまでして試合を早く終わらせることに、どれだけの意味があるのか。
(ケン高田)