札幌ドームの「ネーミングライツ」募集がスタートし、注目を集めている。
札幌ドームでは日本ハムの移転後、フェンスの広告スペースに空きが目立っており、施設全体の広告収入が激減。打開策のひとつとして、ドーム内を幕で仕切る「新モード」を導入したものの、いまだプロのアーティストからの予約はゼロという状況だ。
ネーミングライツは収益アップのいわば最終手段ともいえるが、実はこれが大きな物議を醸しているのだ。
札幌ドームでは、ネーミングライツの売却希望金額を2億5000万円以上、契約期間2~4年としており、4月頃から愛称の使用開始を想定しているというが、問題とされているのが「希望事項」だ。
スポーツライターが語る。
「ネーミングライツには細かい制約があり、愛称に『ドーム』を含めること、公の施設に相応しく、設置目的がイメージできること、親しみやすさ呼びやすさなど、市民および施設利用者の理解が得られる愛称であることが上げられています。日本ハムがいた時代は売却金額5億円、契約期間5年以上でしたから、これでもかなり妥協しているといえますが、プロ野球の試合が行われないため、愛称が呼ばれる機会はかなり少なく、企業としてはメリットを享受しにくいでしょうね」
札幌ドームはこれまで、日本ハムに対して選手のグッズに30%以上の手数料を徴収。球場内のスポンサー広告や飲食店の運営、売り上げは全てドーム側に帰属し、さらには警備費、掃除代など全て球団持ちで基本使用料とは別に年間15億円ほどを課していた。日本ハム側は使用料の値下げや運営権の一部譲渡を何度も訴えてきたが、全て却下された経緯がある。もしこの時歩み寄りを見せていたら、日本ハムが出て行くことはなかったかもしれない。
いずれにしても、日本ハムの怒りを買って出て行かれた以上、収益改善は絶対に果たさなければならない重要課題だ。11日には「青汁王子」こと実業家の三崎優太氏が、「この権利買って、フォロワーのみんなと一緒に名前考えてみたい、悩む」とツイート。三崎氏は北海道北見市出身のため、札幌ドームの命名権に関心をもっているようだ。
4月には、「青汁王子ドーム」が誕生したりして。
(ケン高田)