近年、重大事故が相次いで発生し、社会問題になっている高齢者の運転問題。加齢と共に状況判断のスピードの遅れなど、運転技術に不安を感じて運転から遠ざかっている高齢者も多いといわれ、今後は運転をしないという選択をした高齢者の中には、運転免許証を自主返納する人も増えている。
免許返納は、運転をしないことで事故の加害者となる恐れから解放され、何かと維持費がかかる車も手放すことができて一挙両得の判断とも言えそうだ。だが、問題が生じることもある。自宅が一軒家の場合、これまで使用していた「駐車スペース」が無駄になってしまうのだ。
そんな中、駐車スペースが「副収入」を生むとして注目されているのが「駐車場シェアリングサービス」である。「特P」や「akippa(アキッパ)」、「軒先パーキング」など業者の数も多く、
「車を所有している方でも空き時間に貸すだけで東京23区内なら月1~2万円になります。常時貸し出し可能ならその2、3倍の収入になりますよ」(副業事情に詳しいビジネス誌ライター)
駐車場が余っている郊外や地方だと難しそうだが、首都圏や関西圏などの都市部ではコインパーキングがなかなか見つからなかったり、あっても満車で探すのに苦労することも多い。そのため、首都圏や関西圏などの都市部に駐車場付きの一軒家に住んでいれば、稼げるチャンスがあるというわけだ。
「登録や設備などによる高額な初期投資費用は発生しませんし、常に自宅にいる必要もありません。駐車場の定期的な清掃くらいはしたほうがいいと思いますが、必要なのはそのくらいで、基本的にほったらかしでOK。副業としてはかなり楽な方法です」(前出・ライター)
実際、シェアリングサービスに自宅駐車場を提供している東京・世田谷区内に住む70代のKさんは、2年前に免許返納をしたのを機に登録した。Kさんが言う。
「たとえ少額でも年金以外の収入があるのは助かります。ウチは最寄り駅から徒歩20分ほどの住宅地にあり、立地は決してよくありません。でも、周辺にはコインパーキングが数えるほどしかなく、それも日中はほとんど満車。おかげで月3~4万円はコンスタントに入ってきます」
事故を起こすリスクもなくなり、同時に駐車場シェアリングで副収入をゲット。これなら免許返納のメリットは十分ありそうだ。