6勝負けなし!宮崎フェニックスリーグのMVPは桑田真澄2軍監督

 来季から2軍監督に配置換えが決まった桑田真澄ファーム総監督(55)。去る10月18日にフェニックスリーグが行われている宮崎に入り、翌19日からチームを指揮している。

 その“桑田巨人”が強いのだ。25日までの間、6試合を指揮したが、6勝負けなし。17日まで指揮を執った二岡智宏2軍監督(来季はヘッドコーチ)が5試合で3勝2敗だから、これはもう認めるしかない。

「ファーム総監督だったので、若手選手のことはよく分かっていたはずです。でも、今季は2軍、3軍の試合を指揮したことはありません。フェニックスリーグは初采配です」(球界関係者)

 フェニックスリーグは若手育成の場。巨人も2軍を主体としたチームで参加しているが、桑田2軍監督の選手起用がアタリまくっているのだ。井上温大と直江大輔が絶好調なのも大きいが、育成選手の笠島尚樹、富田龍を「9回」でテストし、それが的中した。

「当初、チーム全体のプランとしては小沼健太をクローザーでテストする予定でした。でも、リーグ戦途中でへばったので、代役を探す必要がありました。田中千晴と育成右腕の笠島、同左腕の富田を選んだのは桑田2軍監督です」(前出・同)

 笠原は往年の斎藤雅樹氏のようなサイドスロー投手。「将来は先発で」と期待されていたが、結果が出ていなかった。

「富田は球速が140キロ台半ば。でも、攻めの姿勢でガンガン投げ込んでいきます。性格的にクローザー向きなのかも」(現地メディア)

 桑田2軍監督は自身の役割として“1軍に戦力を供給すること”と語っていたが、このままいけば、笠島、富田の2人にも「支配下契約」の可能性が見えてくる。フェニックスリーグでもっとも評価を上げたのは、桑田2軍監督だ。

「ジャイアンツ球場にいた18日までは、練習は『量よりも質』と話していました。宮崎では試合中心なので、どんな練習プランを立てているのかまでは分かりません。2軍の全てを統括し、練習メニューも決める来春キャンプで真価が問われます」(前出・球界関係者)

 今の若手は、桑田2軍監督の現役時代を知らない。甲子園での快投も映像や何かの本で読んだ程度だ。投手起用がアタリまくっている今、2軍選手たちは「こんなにスゴイ人だったんだ!」と尊敬の眼差しを向けていた。

(飯山満/スポーツライター)

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