アイドルの退職金も捻出、推し活に使える仮想通貨「NIDT」に金融業界が熱視線

 好きなアイドルやアーティスト、キャラクターなど自分のお気に入りの“推し”を応援する「推し活」は一過性のブームを通り越して今やすっかり世間に定着した観がある。そんな中、今年4月には世界初となるアイドルの推し活に利用できる仮想通貨「Nippon Idol Token(=NIDT)」が誕生して話題となった。

 仮想通貨「NIDT」は、「松井証券」在籍時に日本初の本格的なインターネット取引の導入に携わり、「楽天証券」や「SBI証券」などを経て「Huobi Japan」の取締役も務めた佐藤義仁氏が立ち上げた「株式会社オーバース」の主導のもと、イーサリアムブロックチェーンで発行された暗号資産(=仮想通貨)だ。

「佐藤氏は金融業界のスペシャリストである一方、『ももいろクローバーZ』や『私立恵比寿中学』、『まちだガールズ・クワイア』などの女性アイドルグループを長年応援し続けている生粋の“ドルオタ”でもあるんです。かねてから『アイドルの推し活に利用できる仮想通貨を作りたい』、『仮想通貨を活用してアイドルたちに“退職金”を用意してあげたい』といった構想を抱いていて、それが現実となったのが『NIDT』というわけです」(スポーツ紙・芸能担当記者)

 金融庁をはじめとする金融当局の厳しい審査を経て誕生した「NIDT」は今年3月にIEOによって資金調達を行い、同年4月から大手仮想通貨取引所の「coinbook」と「DMM Bitcoin」で取引が開始された。

 それに先立ち、「NIDT」を活用した新規アイドルグループ創造プロジェクト「IDOL3.0プロジェクト」の第一弾として女性アイドルグループのメンバー募集もスタート。佐藤氏のオファーにより同グループのプロデューサーに作詞家の秋元康氏が就任し、過去に「AKB48」や「乃木坂46」、「櫻坂46」、「日向坂46」、「IZ*ONE」、「=LOVE」などの育成に関わったスタッフが集結したこともあり、オーディションには約1万人の応募が集まった。

「約半年間にわたって複数回の審査が行われて、現在最終候補者の29人(※提供写真)まで絞られています。メンバー選考にあたっては、途中の審査で落選したメンバー候補者を『NIDT』を所有するファンの投票結果に応じて“復活”させる『ホワイトナイトシステム』といった試みも行われて、SNSを中心にかなりの盛り上がりを見せました。来月7日に都内で行われるイベントで最終合格者である正規メンバーが発表される予定です」(前出・芸能担当記者)

 ここで誕生する女性グループは大手レコード会社「キングレコード」に所属し、国内でのコンサートやイベントのみならず、海外、さらにはメタバースやその他のオンライン上などバーチャルな空間での活動も視野に入れている。
 
 また、「NIDT」を介してファンから募ったアイドルグループの活動資金は「退職金」だけでなく、アイドル活動と学業の両立ができるように教育関連会社と提携して家庭教師や塾講師を無償提供する「学業サポート」や海外での活動を視野に入れて英語や中国語などの語学スキルの習得を手助けする「語学レッスン」、医療サービス提供会社と提携して定期健康診断・予防接種ほか健康管理に努める「健康管理」など、メンバーたちの公私にわたるサポートに活用されるという。

 メンバー選考が佳境を迎える中、早くも「NIDT」の価値も上がっているとか。

「今春のIEOの際の公募価格は1NIDT=5円だったのが、一時期は25倍にあたる125円ほどの値をつけました。ここ最近は70円台(※9月26日時点)で推移していますが、これは『NIDT』を所有するファンがメンバー審査に参加できる『ホワイトナイトシステム』の投票期間が終わった影響もあるかと思われます。メンバーが決定し、グループとしての活動がスタートしたら注目度もアップしますし、『NIDT』の価格もさらに上がる可能性が高いでしょう」(前出・芸能担当記者)

 そんな中、アイドルや“推し活”とは縁遠い金融業界も「NIDT」には高い関心を抱いているようだ。

「アイドルのことはあまり詳しくないんですけど、『NIDT』に関してはものすごいポテンシャルを秘めていると思います。かねてから経済界や金融業界からも注目度の高い秋元康さんが総合プロデューサーを務めていることもそうですし、そもそも『NIDT』は今回結成される女性グループだけに特化した仮想通貨ではなさそうですしね。今後、『NIDT』で“推し活”できるグループの数が増えていったり、それこそ既存の人気グループやアーティストなどと提携でもしたら、とんでもないことになりますよ」(証券会社社員)

 世界初の“推し活”できる仮想通貨「NIDT」の今後の動向を注視したい。

マネー