21日に大型の台風11号が発生した。今回は直撃こそ避けられそうだが、台風の影響で前線の活動が活発化しながら本州を通過するため、日本列島は広範囲で激しい雨になりそうだ。
大型の台風10号が、西日本に上陸して四国・中国地方を縦断したのは8月14日から15日にかけて。この時はお盆と重なったため、帰省客やUターン客の足に大きな被害をもたらした。
10号に先駆けて発生した9号は、それ以上の規模を持ち、中心気圧は925ヘクトパスカル、最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルだった。こちらは南の海上から中国大陸に接近したことで本州への影響はなかったが、これから本格的な台風シーズンを迎え、今後も巨大台風が相次いで日本を直撃する可能性があるという。
「地球規模の温暖化で、日本近海の海水温は30℃に達する勢いです。そのため、赤道付近で発生した台風が日本近海で大型化する現象が見られたり、日本近海で台風が発生する可能性が高くなっている。特に9月以降は偏西風が南下するため、台風の進路は本州付近に向かいやすく、去年、近畿・東海地方に被害をもたらした台風21号や24号も9月に上陸しています」(サイエンスライター)
最も恐ろしいのは、今回の10号のような超大型台風が相次ぎ本州を直撃するパターン。たとえば、昨年7月に発生した西日本豪雨のような災害に痛めつけられた地域が再び台風の通り道になり、ダメ押しの被害を受ける事態だ。
「注意すべきは、台風に伴って次々に発生する積乱雲が連なる“線状降水帯”。一つ一つの積乱雲は上空の風に押し流されて移動しますが、上昇気流が持続すれば新たな積乱雲が同じ場所で連続発生し、ケタ外れの豪雨が降り続くことがあるのです」(同)
高波、土砂災害、河川の増水や氾濫に今後も注意。注意報や警報が出たら早めの避難を心掛けたい。
(蓮見茂)