那須町2遺体事件、実行役の報酬「250万円」が“相場の10倍”という驚愕

 栃木県那須町で夫婦の焼けた遺体が見つかった事件は混迷を極めていたが、逮捕者が6人となり、全貌が明らかになってきた。

 事件を整理すると、4月16日、東京・上野で飲食店を十数店舗経営していた宝島龍太郎さんと、妻の幸子さんが那須町で遺体となって発見。指示役と見られる佐々木光容疑者、仲介役と見られる平山綾拳容疑者、実行役と見られる姜光紀容疑者と若山耀人容疑者の4人が遺体を損壊した疑いですでに逮捕されている。若山容疑者については、元俳優で大河ドラマの出演経験もあったことから、メディアでもクローズアップされた。5月6日には宝島さん夫妻の長女の内縁の夫・関根誠端容疑者、翌7日に不動産会社役員の前田亮容疑者が遺体損壊の容疑で逮捕された。現時点では、関根容疑者が事件を主導し、佐々木容疑者が平山容疑者に指示。平山容疑者から依頼された姜容疑者と若山容疑者が宝島夫妻に暴行した可能性が指摘されている。

 この事件にはカネも関わっている。一部報道によると、仲介役の平山容疑者は報酬について、「ある人物が佐々木容疑者に1500万円を渡した」と説明。取り分は佐々木容疑者が100万円、平山容疑者が900万円、実行役の姜容疑者と若山容疑者が250万円ずつだという。ただ、姜、若山両容疑者は報酬を受け取ったことは認めたが、250万円より少ない金額だったと供述しているという。

 死体損壊に関わる犯罪は報酬の額にかかわらず、当然手を染めることは許されない。2023年6月放送の「めざまし8」(フジテレビ系)で、神奈川・川崎市内の高級時計店で複数人による強盗事件を特集した際、社会学者の古市憲寿氏は「強盗する意味がわからない、99%捕まる。わりに合わない犯罪」と指摘していた。古市氏の言葉を借りれば、那須町の遺体発見事件でも、250万円で実行役を務めるのは〝わりに合わない〟といえる。もちろん犯罪は〝わりに合う、合わない〟で判断するのは言語道断だが、それにしても250万円程度で人生を棒に振りかねないことをやったとしたら、軽はずみという言葉では済まされない。

「20年5月放送の『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~』(テレビ東京系)で、殺人依頼も請け負う闇サイトの実態が暴かれました。ITジャーナリストの専門家によると、1990年代は数千万円の報酬もあったそうですが、最近は人を殺すのも20~30万円で請け負うケースもあるといいます。いくら支払われても請け負ってはいけませんが、相場と比較すると、250万円はかなり高額かもしれません」(週刊誌記者)

 人の命を何だと思っているのか…。

(石田英明)

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