現地時間9月18日、X(旧Twitter)のオーナーであるイーロン・マスク氏が、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との対談の中で、すべての利用者から少額の月額料金を徴収する完全有料化を検討していることを明らかにした。強力なライバルの登場にも揺るがなかったXだが、さすがに今回ばかりは利用者離れが進行するとの見方も強い。
対談の中でマスク氏は、ネタニヤフ首相が「Xからボットを閉め出すことができれば、反ユダヤ主義を抑制できるかもしれない」と発言したことを受けて、「大量のボットを消すためには、少額の月額制を導入するのが思いつく唯一の方法だ」と全ユーザーに課金を求める考えがあることを明らかにした。昨年10月にマスク氏がTwitterを買収して以降、様々なサービスが有料化されていったが、ついにはXを使うこと自体が有料となるかもしれない発言に驚きの声が相次いでいる。
「Xの完全有料化はボット対策であることは間違いありませんが、今月5日にマスク氏が『Xの米国での広告収入が60%減少した』と明かしていることからも、完全課金を大きな収入源として期待していることは間違いないでしょう。実業家のひろゆきこと西村博之氏も自身のXで、『3億人と言われるXユーザーの10%でも、Xの金融経済圏に巻き込めれば莫大な価値を生むよね』と指摘しています」(ITライター)
しかし、その一方でユーザーの流出は避けられないとみられる。
「単純に考えて、未成年の利用者の多くは有料化で去っていく可能性は高いでしょうし、SNSは無料で使うものと頑なに考えている人も『Threads』などの類似サービスに乗り換えすると思われます。ただ、特に日本ではXのヘビーユーザーは多く、『Netflix』や『YouTube』などよりも長く見ている人もいますから、金額によっては継続して利用するという人も少なくないでしょう。完全有料化によってボットが駆逐されれば、さらにXは安全で使いやすくなる可能性もありますし、ユーザーが一気にいなくなるということはないのではないでしょうか」(同)
Xの完全有料化によってSNSの勢力図は大きく変わるのだろうか…。