高校野球に新問題!女子マネージャーが打つノックの是非とは

 連日、熱戦が繰り広げられている夏の甲子園大会。今夏は14校が出場を果たすなど公立校の躍進が目立つ。令和の怪物・佐々木朗希が予選で消え、新元号の最初の夏は大激戦となりそうだが、新たな難題が浮上した。球数制限の是非ではない。女子マネージャーの活動についてだ。

「近年、『ノックができる女子マネージャー』が出現しました。その数が増えているのかどうかはわかりませんが、少なくとも女子マネージャーが練習に参加することに抵抗がなくなってきたという傾向はあるようです」(高校野球を取材するライター)

 高野連は女子マネージャーに関するルール改定を柔軟に進めてきた。今ではごく普通の光景となったが、女子が記録員(スコアラー)としてベンチに入ることが許されたのは、1996年第78回大会から。その後2016年、練習補助員としてノックの手伝いをしていた女子マネージャーが強制退場させられ、日本中が「時代錯誤」とこれに抗議した。

 高野連はこれにも柔軟に対応し、ヘルメットの着用を義務づけて許可したが、今度は「ノックのボール出し」ではなく、ノックそのものができる女子マネージャーのことが問われ始めたのだ。
 
「地方大会中、ノックのできる女子マネージャーがいる学校が紹介され、ちょっとした話題になったんです。全国各地に男子部員顔負けの鋭い打球を放つ女子マネージャーのノッカーが何人かいて、練習試合前にもノックをやっているそうです」(同前)

 公式戦での女子マネージャーによるノックは禁止されている。しかし、こうした女子ノッカーが出現した背景には、「中学まで女子硬式チームにいた」「中学野球部に所属していた」という元プレーヤーが増えたこともあるだろう。彼女たちは基礎技術がしっかりしているから、正確なノックが打てる。また、他の野球部員も女子マネージャーのノックを認めているのだろう。「公式戦でもノックを打たせてやっても」の声が出始めたそうだ。

「高野連は女子マネージャーのボール渡しでは、日本中から非難を浴びました。なので、今度はそうした話題に先駆けて、女子マネージャーのノックを認めるかもしれません」(高校野球関係者)

 女子マネージャーがノックをすれば、捕り損ねた選手を罵倒することもないだろう。部内暴力をなくすのにも効果がありそうだが…。

(スポーツライター・飯山満)

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