第3子に1000万円給付「モーニングショー」玉川徹氏の提言に非難轟轟

 岸田政権が政策の目玉に掲げる異次元の少子化対策。3月末、政府は児童手当の拡充や出産費用の保険適用などを盛り込んだ「試案」を発表した。これに「本当にこの対策、異次元ですか」と疑問の声を上げたのは、「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日)でコメンテーターを務める玉川徹氏。4月12日の放送で「これを見ても同じ次元にあるようにしか見えない」「異次元という言葉にはそぐわない」と一刀両断したのだが…。

 その後、番組が紹介したのが、まさに“異次元”のプランだった。玉川氏が元大蔵官僚で法政大学教授の小黒一正氏を取材し、「結婚している人の出生数を上げる施策に資源を集中投下したほうがよいのでは」「2人子供を持つ夫婦に3人目を持ちたいと思ってもらえるような政策が重要」というコメントを紹介。さらに「第3子以降に1000万円を給付」というプランを提示したのだ。

 財源については「消費税1%上げることでいけるんじゃないか」と説明。そのうえで「やってみないとわからない」としながらも、「数年間やってみて、トライしてみるっていうのはどうでしょう? 数年間やって、改善したというんであればこれを続ければいい」と、この案を猛プッシュした。
 
 この大胆提言に、スタジオ出演していた東京大学大学院教授の山口慎太郎氏は「非常に大胆な案」「まさに異次元ですね」と感想を述べたものの、「気になるのは家族形成についての格差っていうのを社会の中に作り出してしまうんじゃないか」と懸念を口にしていた。コメンテーターでジャーナリストの浜田敬子氏も「格差がつくと思います」と否定。「正社員同士の共働き(世帯)は子供を産めている」として、第3子に1000万円を給付することの不合理性を訴え、「極端すぎる」と結論づけた。

「あくまで提言に過ぎないものの、今回の1000万円給付プランはネット上でも非難轟々。もっとも多かったのは《子供をお金でしか見られなくなる》《子供の価値をお金に換算するな》というもの。玉川さんは『やってみる価値はある』『効果がなければやめればいい』と言っていましたが、それでは産まれた年によって格差が生じてしまいます。また、金銭目的で出産する夫婦が増えることで、虐待やネグレクトにつながるのではないかという書き込みも多く見られました」(WEBメディア記者)

 玉川氏がドヤ顔で紹介した「1000万円給付プラン」。確かに異次元の少子化対策と言えるかもしれないが…。

ライフ