米アマゾンが、返品率が高い商品のページに「この商品はよく返品されています」という警告ラベルを表示するシステムを導入した。廃棄商品を減らす取り組みの1つとみられているが、この措置にネット上では《日本にもぜひ導入してほしい》といった声が見られた。
「全米小売業協会の見込みによると、22年度会計の米小売業界で返品された商品の総額は8160億ドル(約108兆円)にのぼるとされ、業界の大きな問題として捉えられています。その中でもアマゾンは、基本的に開封された商品であっても未使用であれば購入から30日以内の返品を受け付けているため、特に返品が多いことで知られていました。そして、コロナ禍にはさらに返品が激増したことで利益を圧迫していたのです」(経済ライター)
警告ラベルには商品の詳細情報やカスタマーレビューをよく読んでから購入するよう注意文も添えられている。
「英メディア『ITV News』はかつて、英アマゾンが、返品された商品を週に約13万点も廃棄していると報じました。それを受けてアマゾンは、21年から返品された商品を中古品として再販売できるプログラムを導入するなど、廃棄商品ゼロに向けての取り組みを強化しています。今回のラベル表示にはそんな廃棄に対する批判をかわす狙いもあるのでしょうが、ラベルを表示することで、顧客は返品する可能性のある商品の購入を踏みとどまることができ、アマゾンとしても返品によるコストを減らすことができるわけです」(フリージャーナリスト)
両者にとってWin-Winの取り組みと言えるこの措置、日本での導入も近いかもしれない。
(小林洋三)