3月30日、新球場「エスコンフィールド」に移転する北海道日本ハムファイターズがひと足先に開幕戦を迎える。
「オープン戦の順位は2位。新庄剛志監督は手応えを感じているようだけど、どうかな? 若い選手が多いので『勢いに乗れば』と期待する声もあれば、『戦力的に厳しい』とシビアな評価も聞かれました」(ベテラン記者)
その「勢いに乗れば」の「勢い」を作ってくれそうなのが、清宮幸太郎選手だ。
「一応は、用心しているけどね」
パ・リーグ在阪球団スタッフはそう言う。その口ぶりからすると“警戒の度合い”はあまり高そうではないが、本塁打量産の可能性はあるという。
「清宮はオープン戦で12球団最多のホームラン5本を放ちました。ポイントは、4号と5号。左方向に流しての柵越えでした」(在阪球団スタッフ)
5号は新球場で出た。そのエスコンフィールドは「右翼99m、左翼97m」の非対称形になっている。札幌ドームは両翼100、フェンスの高さも5.75mあったが、エスコンフィールドはその半分以下の2.8m。なので、清宮の5号アーチを指して、
「豪快な一発ではなく、フワ~ッと上がった打球がなんとかフェンスを越えた感じ。札幌ドームだったら、レフトフライでした」(同前)
と、“新球場の恩恵”とする指摘もある。
また、左翼のライン際にある6.9mのフェンスはフェアグラウンドに対して斜めそびえ立っており、清宮の打球はそのフェンスに当たって、右にあるブルペン側に落ちていった。
「これまでファウルになっていた打球がホームランになるかも」(同前)
ホームラン量産の環境を得たことも「清宮、要注意」の理由だが、オープン戦終盤で出た4号は第2打席、5号は第1打席に出ている。そこが、ポイントだ。
「日本ハムの昨季のチーム防御率は3.46でリーグ5位。でも、先発陣だけなら、3.35でリーグ2位。清宮のホームランで試合の主導権を握ることができます」(前出・ベテラン記者)
清宮の一発が、「優勝しか狙わない」と言う新庄監督の命運を握っている。
(飯山満/スポーツライター)