日ハム・新庄監督にそっぽを向く投手陣/12球団オフの「天国と地獄」(3)

 例年、ストーブリーグの話題に事欠かないソフトバンク。FA豊作年の今オフは、なりふり構わぬ金満補強が見込まれている。

「ターゲットは日本ハムの近藤健介(29)と阪神の西勇輝(31)ら。今季推定年俸2億5500万円の近藤にはミニマム4億円、MAX5億円の攻防を仕掛けるでしょう。西にも3〜4億円を提示するかも。かつて、楽天の浅村栄斗(31)の年俸が実際には7億円で出来高を加えれば9億円と騒がれましたが、あくまでインセンティブには上限があった。ところが、ソフトのインセンティブは上限なしの青天井だと言われている」(スポーツ紙デスク)

 あくまで推定年俸はベースの数字。成績、出場数、タイトルなどの目標をクリアするたびに金額が加算されていく形だ。

「推定6億2000万円の柳田悠岐(34)は細かい項目が設定されており、全て達成すれば10億円に手が届くとも。資金力が潤沢なだけに補強の動き出しも早い。すでに、来季FA権を取得する西武の山川穂高(30)も未来の主砲としてリストアップ。雌雄を決するCSの試合前にもかかわらず、山川が王貞治会長(82)と打撃論などで談笑する姿まで目撃されています」(球界関係者)

 反対に、近藤の流失危機ばかりか、補強もままならないのが日本ハムだ。1年間の〝トライアウトシーズン〟を終えても、頼みの主砲はどこか心許ないご様子。日本ハム球団関係者が清宮に業を煮やして語る。

「清宮幸太郎(23)が来季どこまでやれるのかがまだ未知数。相変わらず内角高めの弱点は克服されていませんから、内角攻めで崩して外角に逃げる変化球を投げれば簡単に抑えられてしまう。キャリアハイとなるリーグ5位のホームラン18本を放ち、自身は満足していましたが、最下位が確定するまではそのほとんどがソロでした。新庄剛志監督(50)もフロントからの要望で嫌々起用しているだけで、まるで取り外しのできない〝呪いの防具〟。ただしVIP扱いは今季までで、来季序盤の成績次第ではシーズン中の放出まで視野に入っています」

 頼みの綱がこの体たらくでは、いきおい、他の選手と監督の関係も危うくなっている。

「シーズン中、マウンド上で新庄監督への不満を露わにした宮西尚生(37)が9月に左ヒジの手術を受け、FA宣言こそ凍結しましたが、投手陣の多くは新庄監督に対して冷めている。春のキャンプ時からブルペンで笑いながら見ている姿に違和感を覚え、すでに来季の開幕投手に指名された加藤貴之(30)すらそっぽを向いているほどです。就任時から『俺はピッチャーのことはわからない』と公言していたから口を出さないと思っていたのに、後半戦に入ると武田勝コーチ(44)を2軍に配して、ベンチは投手コーチ不在という状況にしたんですからね」(前出・スポーツ紙デスク)

 新球場に移転でも、ぶっちぎり最下位だった戦力は好転してこない‥‥。

*週刊アサヒ芸能11月3日号掲載

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