テリー それにしてもお父さんは天才だよね。
岡田 ほんとですか。うれしいです。
テリー 何がすごいかっていうと、ずっと軽いじゃない。それは所ジョージさんや高田純次さんもそうだけど。テレビの中でずっと軽くいるって、そう簡単じゃないんだよね。
岡田 ほんとにエンターテイナーというか、どの場面を切り取っても、ずっと軽くだったり、明るくいるって、難しいですよね。だから、テリーさんがそう言ってくださるのは、すごくうれしいです。
テリー さっき大人に対する反発があったって言ったでしょう。それはお父さんにもあったの?
岡田 うーん。父に対しては反発というよりも、むしろ「苦しそうだな」ってずっと思ってました。テレビで見る父と、家に帰ってきた時の父が全然違うから、子供ながらに大きな溝があるんじゃないかなって。
テリー 家ではどんなお父さんなの?
岡田 家では物静かで、ああいうハイテンションな明るいキャラではないです。だから外に出たら「どこかでスイッチを入れるんだろうな」と思うので、たぶんそれは苦しいんじゃないかなって。私もお仕事で忙しくさせてもらうことが増えてきたので、父に対するそういう思いはますます強まるばかりですね。
テリー 忙しくて家にはあんまりいなかったんでしょう?
岡田 そうですね。学校の行事に来てくれなかったり、いてほしい時に家にいなくて寂しいなと思ってる時期はありましたね。家にはいないのにテレビの中にはいて、「自分の父なのにみんなのものみたい」っていう感覚がずっとあって。
テリー ああ、なるほど。
岡田 でも、家に帰ってきた真面目で寡黙な父を見ると、「あ、これは私だけが見れる父なんだ」っていう特別感もありましたね、すごく。
テリー お父さんは芸能界の先輩じゃない。何かアドバイスをくれたりする?
岡田 アドバイスはあんまり元々くれるタイプじゃなくて。「芸能界でこうしなさい」「ああしなさい」っていうのは一切言われたことがないですね。「家の中で芸能の話をするのはNG」みたいな暗黙のルールもありましたし。むしろ、人としての教えみたいなのはくれるんですけど。
テリー 例えば?
岡田 唯一覚えてるのは、「『ハロー・エブリワン!』って言っとけば大丈夫」みたいな(笑)。よくわからないことは教えてくれました。
テリー そうなんだ(笑)。あの天才が言ってるんだから大丈夫なんだろうな。
岡田 アハハハハ。1回も使ったことないですけど。
テリー 今もお父さんとはよく会ってるの?
岡田 いえ、会うことはなかなかないんですけど、連絡は取っていて。この前、私、胃腸炎で仕事を休んでしまったんですけど、その時に「ストレスだったり仕事の疲れがあると思いますが、無理せず頑張ってください」っていうメチャクチャ真面目なメールが来たんですよ。それで、「ありがとう。パッキーも頑張ってね」みたいな感じで返しました。
テリー パッキーって呼んでるんだ(笑)。
岡田 そうですね。いつも仕事面よりは、仕事をする上での体調面を気にしてくれて、連絡はけっこうくれますね。
(つづく)