ポスティングや海外FAで、多くの日本のプロ野球選手が海を渡った。独身選手以外は家族を伴って渡米するのが通例だが、野球を引退しても現地に住み続けたり、父親だけ“日本に単身赴任”するパターンも増えてきた。その理由に迫った12月4日配信記事は多数のアクセスを集めた。
今オフ、米メジャーへ移籍が決まった元ソフトバンク・千賀滉大と元オリックス・吉田正尚。家族も同行すると見られているが、実は、引退後もそのまま米国に住み続けている日本人メジャーリーガーは少なくない。
実際、イチロー氏は現在もシアトル、松井秀喜氏もニューヨークに自宅があり、仕事のたびに帰国する生活を続けている。それは「サンデーモーニング」(TBS系)のご意見番を務める上原浩治氏、最近、バラエティ番組への出演が目立つ松坂大輔氏なども同じで、それぞれ自身のYouTube動画でも明かしている。
「上原氏と松坂氏は選手生活の晩年を日本で過ごしましたが、他にもヤンキースなどで活躍し、最後は古巣・広島で引退した黒田博樹氏、日本球界復帰後はDeNAでプレーした高橋尚成氏も自宅はアメリカ。現役選手でもメジャー帰りで現在はヤクルトの青木宣親も自宅はアメリカに置いたままです。実は、そのままアメリカに住み続ける日本人メジャー選手が多いのにはいくつかの理由があるのです」(スポーツジャーナリスト)
その最大の理由は税制面の違いだという。
「アメリカは主要先進国の中でも個人所得税が安く、平均すると日本より税率が10%は低い。しかも、富裕層ほど優遇されるので億超えの年俸を得ていた彼らがそのまま住み続けるのは当然のことといえます。また、子供の教育を考えて現地に残るケースも多いですね。日本ではないのでプライベートで周囲からジロジロと見られることがない点も大きいようです。外国人メジャー選手は永住権を手に入れやすいため、多くの選手が球団との契約内容に永住権の取得をサポートするという項目を入れていますね」(前出・ジャーナリスト)
渡米の際にはほぼ全員がメジャーへの憧れを口にするが、日本人大リーガーにとって、アメリカは移籍後も魅力に溢れた場所であるようだ。