ついにと言ったらいいのか、それともやっと、か。俳優の田中要次と羽田圭介が去年の8月20日に放送された「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」(テレビ東京系)の第19弾を最後に、番組をクビになった。
バス旅はテレ東旅番組の中でも人気、視聴率ともにトップクラスを誇る看板番組。そのメインを務める2人のクビは22年の最大のニュースといえるだろう。だが、降板は決して驚くことではないと、テレビ誌記者は言う。
「バス旅を人気番組に押し上げたのは、いまさら言うまでもなく太川陽介と蛭子能収です。蛭子が高齢を理由に番組を引退し、田中と羽田が引き継いだわけですが、スタート時から評判はいまひとつでした。2人とも明るさがなく、バスの車内で地元住民と触れ合うことも少ない。最初はゴールするのに必死なのかなと思われましたが、結局、最後までそれは変わりませんでした」
そんなコンビに業を煮やしたのか、テレ東は途中から「負け越したら2人はクビ」という新たなルールを追加。19年3月に放送された第9弾で最初の危機を迎えた。この時はなんとか成功。20年3月の第13弾も失敗したらクビの瀬戸際にあったが、予想に反して成功し番組は存続する。
そして21年10月の第17弾、昨年1月の第18弾と2連敗し、第19弾も失敗に終わり、ついにクビになった。視聴者の間には「やっとか」という雰囲気が漂っていた。
「最後のほうは失敗するのも当然でした。必死さが感じられず、特に田中は歩くのを嫌がるようになり、バスまで時間があっても歩かずに待つことを提案するようになった。番組が用意したルートの難易度が上がっていたのに、あれではゴールできるはずがありません」(前出・テレビ誌記者)
意外だったのはクビが決定した後、2人がギャラを半分にしてもいいから旅を続けたいと申し出たこと。そこまでやる気があるなら、もっと早くから表すべきだった。
2人のクビによって新たな問題が生じた。後継者は誰になるのか。22年12月末の時点で次のコンビは決まっていない。人選に難航しているのは想像に難くない。ただ、誰が受け継いだとしても、田中と羽田コンビの人気を下回ることはないはずだ。