ヤクルトの守護神、スコット・マクガフのダイヤモンドバックス入りが決まった。2年総額625万ドル(約8億6000万円)、3年目はオプションとなり、総額700万ドル(約9億6000万円)が保証されているという。
「マクガフは、優勝旅行先のハワイで、選手会主催のゴルフコンペに参加した後、メジャー復帰が叶った喜びを語っていましたね」(スポーツ紙記者)
ヤクルトは4年連続50試合以上に登板した「守護神」に対し、当然ながら慰留したが、最終的にはマクガフのMLB復帰に対する思いを尊重したという。退団するマクガフがV旅行に参加していたところからも、円満退団であったことがわかる。
移籍先のDバックスは今季74勝88敗。ナ・リーグ西地区5チーム中4位だった。2021年にパドレスで39セーブをあげた右腕のマーク・マランソンが移籍して守護神を務めているが、今季は成績を大きく落としてしまった(3勝10敗18セーブ)。
「Dバックスのトーリ・ロブロ監督は来季も指揮を執ることが決まっており、マランソンに代わる新たなクローザーを求めていました。マランソンの復帰に期待しつつも、万が一に備え、マクガフを獲得したのでしょう。マクガフにとってはビッグ・チャンスかもしれませんよ」(米国人ライター)
マランソンとマクガフがどう使われていくかはまだわからないが、実は、ロブロ監督は日本でプレーした経験も持っている。しかも、その時の球団はヤクルトだった。
「入団したのは2000年。内野のどこでも守れると言っていましたが、当時のヤクルトには土橋勝征、岩村明憲、池山隆寛らがいて、レギュラーを獲ることはできませんでした」(ベテラン記者)
わずか1年で帰国してしまったものの、高津臣吾監督とは元チームメイトということになる。
マクガフの代理人が「ヤクルト繋がり」を意識して交渉を進めたとは思えないが、マクガフにとって、こうした「縁」については、感慨深いものがあるのではないか。
(飯山満/スポーツライター)