プーチン「30万人招集令」で国外脱出者が急増!「兵役逃れで手足を骨折させる者も…」

 9月21日、プーチン大統領が発した「30万人招集動員令」の波紋が、ロシア国内で大きな広がりを見せている。

 AP通信は、首都モスクワの繁華街に多くの市民が集まり、「戦争反対」「プーチンを前線に送れ」などと声を張り上げる様子を配信。しかし、直後にはヘルメットをかぶった警官隊が数人がかりで参加者を取り押さえ、次々と連行していく様子も伝えられた。

「今回の動員は、軍事技術・経験などを持つ予備役が対象となります。ロシアの下院では、動員を拒否した場合『最大で15年の禁錮刑に処する』という罰則まで作ったのですが、プーチン氏の発表直後から、兵役を逃れるために、わざと手足を骨折させたり、あるいは、国を捨て国外脱出をはかる者が急増したのです」(ロシアの事情に詳しいジャーナリスト)

 21日の時点で、ロシアで人気の格安航空券サイト「アビアセールス」では、アルメニアやジョージア、アゼルバイジャン、カザフスタンといった旧ソ連諸国への直行便がすべて完売。ロシア発着便の主要経由地であるイスタンブールへの便も満席で、グーグルトレンドのデータでは、ロシア出国に関する検索が同日午前には、通常時の100倍に増えたという。

「ただ、ロイター通信は、ロシアと国境を接するバルト3国は21日、動員逃れが理由だとしても、ロシア人を難民として受け入れることはない、と報道。取材に対し、エストニアのレインサル外相は『ロシア国民が義務を拒否したり、あるいはそうしたいと考えたりすることが、別の国で難民となる条件を満たすことにはならない』と述べたと伝えています。ラトビアのリンケービッチ外相も、自身のツイッターで『安全上の理由から、ラトビアは動員を逃れるロシア人に、人道的その他のビザを発行することはない』としていますから、脱出をはかるロシア人にとっては、難しい選択を強いられることになるでしょう」(前出・ジャーナリスト)

「反プーチン」「反戦争継続」の動きも激化する中、今後もロシア国内の動揺は広がることが予想される。長期化する戦争は新たな局面を迎えたようだ。

(灯倫太郎)

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