戦力外通告の有原航平に「米球界生き残り」へ超強力援軍

 今オフ、元日本人メジャーリーガーの去就問題が意外な方向に向かいそうである。

 レンジャーズの有原航平投手が大リーグ出場の前提となる40人枠から外され、その後、獲得に名乗りを挙げる球団も現れなかったため、球団傘下の3Aチームに所属することになった。

「チャンスに恵まれなかったともいえます。移籍1年目の昨季はケガや右肩動脈瘤に泣かされ、21−22年オフにはチームは大型補強に動きました。右肩にメスを入れた翌年なのに結果を出さなければならない状況に立たされ、かわいそうな面もありました」(米国人ライター)

 2年間のメジャー通算成績は3勝7敗、防御率7.57。登板試合数はわずか15だ。最終登板は、9月10日のトロント・ブルージェイズ戦(現地時間)。40人枠から外されたのは翌11日。先発のチャンスをもらったが、4回途中11失点と大炎上してしまった。有原は2年契約だったので、今オフは新天地を探すことになるが、こんな指摘も聞かれた。

「右肩が本調子になればやれると思い、米球界で移籍先を探すか、古巣・日本ハムに帰るかの二択になるでしょう。そのどちらなのかと聞かれたら、前者では?」

 これは、NPB関係者のコメントだ。

 米球界残留を予想する根拠は、代理人にある。有原の代理人は大手エージェント「ワッサーマン・メディア・グループ」のジョエル・ウルフ氏。ウルフ氏はダルビッシュ有、前田健太、筒香嘉智も担当している。

「筒香が8月にパイレーツから事実上の戦力外を通達された際、『いよいよNPB帰還か?』と思われました。でも、左打ちの大砲がいないブルージェイズとの交渉をまとめあげ、マイナー契約ながら『米球界に残りたい』という筒香の希望を叶えました。昨季、レイズをクビになったあとも、ドジャース、パイレーツとしっかり移籍先を見つけています」(前出・NPB関係者)

“敏腕代理人”なら、有原の要望に応えられるだろう。

 もっとも、古巣・日本ハムだが、「新庄剛志監督が投打で即戦力の選手を欲している」との情報が飛び交っている。有原は渡米2年前の2019年に最多勝のタイトルを獲得している。また、新庄監督は現役時代、メジャーリーグからNPBに帰還した経歴もある。有原が実力を発揮しやすい環境を作ってくれるはずだ。

 なんなら代理人を説得し、有原と筒香を“セット獲得”しても良さそうだが? 

(スポーツライター・飯山満)

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