「備蓄米って現代に必要?」「パンもある」古市憲寿氏の持論でバトル勃発

 コメの価格高騰が止まらない。昨年の夏、全国のスーパーや小売店からコメが消えた際には当時の坂本哲志農水大臣は「新米が順次供給され、円滑なコメの流通が進めば、需給バランスの中で一定の価格水準に落ち着いてくる」と話していたが、5キロあたりの価格(東京都区部)は1000円近く上昇している。

 政府はようやく備蓄米の放出を決定したが、そのタイミングは適切だったのか。2月26日放送の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)ではそんなテーマで議論が行われたのが、社会学者の古市憲寿氏が放ったコメントが物議を醸している。

 スタジオでは出演者から「流通側で在庫を抱えて値段が上がるのを待っているところもある」「そんなこと言ってないで備蓄米を出せよ、先に。いちばん先に出せばいいのに」「JAがコメの需給バランスをコントロールできなくなっている」といった声があがると、古市氏がこう疑問を呈した。

「そもそも備蓄米って、まだ現代に必要なんですか? 要ります?」

 他のパネリストから失笑が漏れる中、過去に農水大臣を務めた渡辺喜美元衆院議員は、1940年代から実施されている食糧管理制度からていねいに説明するも、古市氏は「現状、平成の米騒動の時に備蓄米制度ができたわけですけど、それからの(コメの)消費量って減ってるわけじゃないですか」と語り、「昭和の時に比べたらはるかに米食って減ってるわけじゃないですか。お米なくてもパンもあるし、違う炭水化物たくさんあるわけじゃないですか。なのにわざわざ政府が毎年お米を買い上げて…」と備蓄米制度に疑問符を投げかけた。

 SNSでは《備蓄米は不要ってこの人は大丈夫か?》《消費が減ってるから備蓄米やめろってメチャクチャだな》《この人チョコばっか食べてるから米に興味ないだけじゃ?》などとツッコミの声が寄せられていたが…。

「番組では、備蓄米をめぐってバトルが勃発。社会起業家の安部敏樹氏が、戦争などが起きたら小麦も輸入できなくなると主張し、『子供たちの命も含めてお米が提供できますよっていう意味での備蓄米は必要』と反論。これに古市氏は、備蓄米として政府がコメを買わなければコメの価格は下がると主張しました。結局、コメ作りに必要な燃料などのコストが上がっていることから、消費者もある程度の値上げは許容すべきとの結論にいたりましたが、2022年度の食料自給率はカロリーベースで38%。近隣で戦争が起きて海上封鎖にでもなったら、すぐさま食糧難に陥るのは明白。やはり現状のように100万トンの備蓄制度は継続したほうがいいかもしれません」(メディア誌ライター)

 3月にも実施される備蓄米の放出でコメの価格は下がるのか。動向を見守りたい。

(福島シゲル)

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