シーズン途中の「緊急コンバート」があるかもしれない。
7月8日のDeNA戦、巨人のスタメン二遊間が注目されていた。二塁・吉川尚輝、遊撃・増田大輝——。7月7日、正遊撃手でチームリーダーの坂本勇人が腰を痛めて一軍登録を抹消された。その代役を誰が務めるのかはもちろんだが、「スタメン二遊間を見れば、坂本の復帰時期が分かる」とも言われていたのだ。
「8日、坂本は二軍のジャイアンツ球場に入ったものの、グラウンド、室内練習場のどちらにも姿を現しませんでした」(スポーツ紙記者)
坂本が“異変”を訴えたのは7月6日。同日の第2打席で内角球をのけ反って避けた際に痛めたとの見方が有力だが、「もっと前から痛めていた」などの情報もある。球団は詳細を明かしていない。翌7日、登録抹消にあたって、原辰徳監督も「中途半端にベンチにいると、我々も使ってしまうので、10日間の時間を与えたほうが良いんじゃないか…」とだけ説明していた。
「原監督のコメントを額面通りに受け止めれば、再登録が可能となる7月17日の広島戦から一軍復帰することになります」(同)
坂本が“練習ナシ”で上がった8日の試合前、こんな声も囁かれていた。
「ショートに二塁手の吉川尚が入ったり、坂本の代わりに一軍昇格した中山礼都が起用されたら、坂本の長期離脱もあり得ると見られていました。攻守で計算が立つ代理遊撃手は、吉川尚か、中山。他の選手がスタメンショートを任されたということは、軽症だと思います」(球界関係者)
前日7日のヤクルト戦の試合中盤、“意味シンな布陣”もテストされていた。代打で途中出場した増田陸が一塁ではなく、二塁の守備についたのだ。
増田陸は一塁手で出場してきたが、元々は「ポスト坂本」を期待された遊撃手として入団した。当然、二塁の守備もできる。
「二塁の吉川尚をショートにまわし、増田陸に二塁を守らせるのではないか? そうすれば、長打力のある中田翔も一塁で同時にスタメン起用できるので」(同)
坂本は9日に打撃練習を再開させた。軽めではあったが、吉川尚が二塁から遊撃にコンバートされていない。原監督が示した「最短17日の復帰」の信憑性も増してきたが、こんな指摘も聞かれた。
「今季、坂本の負傷離脱は3度目。4度目の離脱があれば、それこそ、巨人のヤクルト追撃はあり得ません。球宴休みを利用し、坂本をサードか一塁にコンバートするための新布陣をテストするのでは」(同)
原巨人は「夏休み返上で守備練習」となりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)