プロ野球「お笑い交流戦」(3)ロッテ・鳥越ヘッドに翻弄されるソフトバンク

 混戦模様の中で苦しい戦いを強いられているのが、オリックス。交流戦前の時点ではパ5強に置いてけぼりにされ、リーグ最下位に沈む体たらくである。

「西村徳文監督(59)が『ウチは西(勇輝・28)と金子(弌大・35)が移籍してしまいましたから』と、激励に訪れたOBにグチを漏らすことがあった。それでもOBから『まあ、うまくいけば、ギリギリでAクラスには行けるかも』と言われると、『そうですよね!』と満面の笑みを浮かべたんです。チーム関係者が『優勝じゃなくて3位でいいのかよ』と思いながら互いに顔を見合わせたのは無理もありません。その西村監督と次期監督有力候補の田口壮野手総合兼打撃コーチ(49)もギクシャクしているといいます。弱いのも当然と言えば当然なのかも」(遊軍記者)

 過去14回中7回の交流戦優勝を遂げているソフトバンクは、今年も2年ぶりに制してダンゴ状態から抜け出したいところだが、交流戦に身が入らない、あらぬ難題を抱えていた。当面の対戦相手であるセ球団ではなく、同じパのロッテを異常警戒しすぎて、ドツボにハマッているのだ。どういうことなのか。

 交流戦に入る時点で、ホークスはロッテに3勝9敗。対ロッテとしては南海時代の69年以来となる、開幕から4カード連続の負け越しを喫している非常事態だ。パ・リーグ関係者はこう説明する。

「原因は井口資仁監督(44)の盟友として昨季にホークスからロッテに移った鳥越裕介ヘッドコーチ(47)の存在。ホークスでは一塁コーチャーとして、相手投手のクセを盗む天才だった。昨季はロッテで情報収集、精査する段階でしたが、今年は準備万端。ホークスの選手は、鳥越ヘッドが見ているだけで過剰意識し、自滅しているんです」

 それだけではない、と球団関係者がさらに明かすには、

「あまりに勝てないものだから、チーム内では『鳥越コーチに情報を漏らすスパイがいるのでは』と疑う声まで出て、犯人探しが始まっている。猜疑心が高じて焦っている証拠です」

 真相はどうあれ、当のロッテはソフトバンクの慌てぶりを大歓迎している。

「交流戦が終わってリーグ戦に戻れば、ホークス戦で鳥越ヘッドにあえてオーバーアクションを取らせ、相手を混乱させてみるのも面白い、という提案まで出ています」(ロッテOB)

 ソフトバンクにとって、ロッテのいない交流戦が、束の間のリフレッシュ期間となるか。

 交流戦はセが相手だけに、パ6球団は全てをリセットできるチャンスでもある。流れを好転させれば、群雄割拠の乱パ争いから頭一つ抜け出すことができるかも。

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