岸田総理「分科会を黙らせろ!」大パニック怒号【1】「国民に伝えるべき」を無視

 1月中にはオミクロン株による感染爆発(第6波)が始まる。さらに今年は「スーパー変異株」地獄の始まりの年になる─。週刊アサヒ芸能1月20日号で指摘した悪夢が現実のものとなりつつある。官邸からは「もはや打つ手なし」の声が上がる異常事態。岸田政権のオミクロン対策は早くも機能不全に陥っていた。

 空前の感染者激増で大パニック状態に陥っている官邸、政府、分科会。この覆面座談会では前回の出席者3名に加え、自民党関係者と公共経済学の専門家の2名を新たに迎え、その危機的な内実とオミクロン対策の驚くべきデタラメぶりを抉り出してもらった。

─リモート座談会にご出席いただき、ありがとうございます。Aさん、Bさん、Cさんは前回に続いてのご出席になりますが、その後の事態は、まさにご指摘どおりに推移していますね。

B 前回の座談会が開かれたのは昨年12月中旬ですが、デルタ株の3倍から5倍とされるオミクロン株の感染力の強さを考えれば、年明けから第6波の感染爆発が始まることは容易に予測できました。驚くにはあたりません。

A 同感ですね。しかも目下の感染爆発を起こしているオミクロン株の亜種、現在株のBA・1に対して、BA・2と呼ばれる変異株の存在が、すでに日本国内でも確認されています。スーパー変異株の脅威が日増しに高まりつつあると言っていいでしょう。

─そんな中、国と自治体はまん延防止等重点措置の発動に踏み切り、1月28日時点での対象地域も34都道府県へと拡大中です。

B 公衆衛生学の常識から言えば、これほどまでに凄まじい感染力を持つオミクロン株に対して、飲食店の営業時間を短縮したり酒類の提供を中止したところで、まさに焼け石に水です。この点は、近く発動されると言われている緊急事態宣言についても同じで、「国や自治体は何を血迷っているのか」というのが私の率直な気持ちです。

A オミクロン株の感染力は、飛沫やエアロゾル感染レベルをはるかに超えて、空気感染レベルにあると言っても過言ではありません。したがって、マスクをしようが三密を避けようが、感染爆発を抑え込むことはできません。ましてや飲食店に手かせ足かせをかけることなど、私の目には焼け石に水どころか、砂漠に水一滴の空疎な弥縫策にしか映りません。

C コロナ対策を議論する政府の分科会には、新型コロナウイルス感染症対策分科会と基本的対処方針分科会の2つがあり、いずれも尾身茂氏(72)が会長を務めています。実は感染爆発が始まった年明け以降、この2つの分科会の少なからぬメンバーからも議事録には載らない非公式な形で「もはや、まん延防止措置を発動したところで意味がない」「事実上のお手上げ状態にあることを国民に伝えるべきだ」との率直な意見が上がっていたのです。

─そうした意見は岸田文雄総理(64)の耳にもきちんと届いていたのでしょうか。

D もちろん、官邸を通じて届いています。しかし、セールスポイントとされる「聞く力」は発揮されなかったようです。結局、岸田総理は「打つ手なし」の現状に呆然としながらも「だからといって何もしないわけにはいかない」「無意味でもとりあえずは『まん防』しかないだろう」との判断に至って、発動を決断したと聞いています。ハッキリ言って、総理を筆頭とする官邸内は今、未曽有のパニックと思考停止状態に陥っているのです。

〈座談会出席者〉

A=ウイルス学の専門家/B=公衆衛生学の専門家/C=政府関係者/D=自民党関係者/E=公共経済学の専門家

*岸田総理「分科会を黙らせろ!」大パニック怒号【2】に続く

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