忘年会は絶滅する?原因はコロナだけじゃない「飲みニケーション」不要論

 日本生命保険相互会社の調査によれば、職場での飲みニケーションが「必要」「どちらかといえば必要」と回答した人が昨年から16.1ポイント減少し、全体の38.2%との結果が出たという。新型コロナウイルスの感染者数は減少傾向にあるが、今後はよりいっそう職場で飲み会が催される機会は減りそうだ。

 同調査では職場での飲みニケーションが「不要」「どちらかといえば不要」と回答した人は全体の過半数を超える61.9%となり、20代~60代までのすべての世代で6割を超えている。職業別ではパート・アルバイトが最も高く、71%が不要派で、唯一公務員だけが必要派が過半数を上回る結果となった。なお、飲みニケーション不要派の意見としては、「気を使うから」が36.5%最も多く、次いで「仕事の延長と感じるから」が29.5%となった。

 加えて、東京商工リサーチが10月に発表した調査でも、この冬の忘年会や新年会を「開催しない」と回答した企業が7割超となっていたが、その原因はコロナによるものだけではなく、職場での飲みニケーション不要派が増えたことも大きく影響していそうだ。

「山形県鶴岡市では先ごろ、職員に忘・新年会について『積極的に参加を』と呼びかけていたと報じられ、大炎上しました。結局、これは市側の意図に反して伝わったもので誤解を招いてしまいましたが、職場での飲みニケーションに批判的な人が増えているのは間違いなく、企業側もかなり敏感になっているようです。ただ、飲みニケーション不要派が最近になって急に増えたというわけではなく、2019年には『#忘年会スルー』がトレンドになっていたように、ネット上には不要派がすでに数多く存在していました。それが、コロナ禍で社会全体が飲み会を控えようという空気になったことで、ネット上だけでなく現実社会の中でも不要論を訴えられる土壌になったということではないでしょうか」(ITジャーナリスト)

 職場での忘・新年会はこのまま絶滅していくのかもしれない。

(小林洋三)

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